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玉森「そんなに深く考えないで欲しい。
高くないし、子供のおもちゃだし。
保育士のお仕事、ずっと応援してたから、分かってもらいたくて」
A「うん、いただくね、ありがとう。
少し元気出た。
親には、転勤でショック受けてるとか思われたくないから。
こうやって、誰かに話せたのは、よかったなって」
玉森「それを、俺が一番に知れたのは、嬉しい」
A「そんな大袈裟な事じゃないよ」
食後のコーヒーとデザートをいただきながら、なんとも微妙な会話をしていた。
そろそろ帰るかとなり、やっぱり裕太くんにご馳走になってしまった。
A「ご馳走様でした。
思いがけず、楽しいクリスマスだったな」
玉森「家まで、送らせて」
A「いいよ、ここで」
玉森「自転車でしょ？
俺も自転車だし、変な事しないから」
A「何よ、変な事って。
ふふふっ。
では、高校生の頃を思い出して、送ってもらおうかな」
玉森「うん、懐かしい」
免許を取ってからは、自転車で送ってもらうことは、ほぼなくなって。
駐輪場に向かいながら、北海道で運転の練習をしてる事を告げた。
玉森「そっか、俺ととった免許、無駄にならないんだね」
A「うん、父がね、どうしても運転出来るようにしたいみたい」
玉森「Aの事を思ってなんじゃない」
A「そうだよね、きっと」
裕太くんとの会話は、とても穏やかで。
あんな事があったことを、忘れてしまいそうだった。
もらったカエルの玉ちゃんが、紙袋から少し飛び出ていて。
それを前カゴに入れて、うちに向かった。
うちの前に着くと、なんとも微妙な空気が流れたのは、
昔は、このタイミングでキスをしてくれたから。
A「今日は、ありがとね。
気を付けて帰ってね」
じーっと見られて。
肩に手を乗せられ、腰を曲げて顔が近づいた。
キスをされると分かったけど、逃げたりはしなかった。
久し振りに触れる、厚めの唇。
本当に、高校の頃にしてたキスと同じで、ドキッてした。
玉森「おやすみなさい」
A「おやすみなさい」
見つめ合って、そう言ったタイミングで、隣りの家の前で人影を感じた。
「何？寄り戻したの？」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
