27 裕太くんのお母さん ページ27
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A「母に連絡してもいいですか？」
偶然出会って、今更何を話していいか分からなくて。
ちょっと迷惑って感じでお母さんに電話をしてみた。
もちろん、ダメとは言われないけど、失礼のないようにって釘を刺されて。
どこで話そうって看板を見上げて、目の前の有岡のバイト先の居酒屋で話す事になった。
有岡「いらっしゃい。
お二人様ですか？」
玉森母「はい」
裕太くんのお母さんの影にいたけど、すぐに有岡に気づかれて。
目で「誰？」みたいな合図を送ってきた。
何て答えようって思ってたら
有岡「おぉ、Aじゃん。
久しぶり。
こちらでいいですか？」
A「ひ、久し振り。
うん、ここで大丈夫。
あぁ、幼馴染の有岡くんです」
玉森母「幼馴染……もしかして大貴くん？」
有岡も、私も、ビックリして。
多分、同じ顔でお母さんを見てたと思う。
A「そ、そうです」
玉森母「前に、裕太から聞いた事あるかも」
その名前で、誰か分かったと思ったのに、有岡ったら目を真ん丸にして「誰だよ！」って顔をしてる。
A「あの、元カレのお母さん。
昔、よくしてもらってて、今、偶然会ったの」
今度は「マジか？！」って顔してるし。
有岡「あぁ、飲み物さきに……」
A「私、梅酒のソーダ割り」
玉森母「あ、私もそれで。
Aちゃん、お夕飯まだでしょ？
何か食べよ」
A「えっと、お母さんにお会いして、ちょっと胸がいっぱいで…」
玉森母「そうよね、迷惑を承知で話しかけちゃったから。
じゃあ、枝豆で」
有岡「はい、かしこまりました！」
有岡は、私とお母さんを順番に目で追って。
最後は、得意の満面の笑顔で去って行った。
そして、すぐに梅酒のソーダ割りと枝豆が出てきた。
有岡「ごゆっくりどうぞ」
玉森母「はい……
乾杯って感じじゃないわよね」
遠慮気味にそう言われたから
A「いえ、今日も一日、お疲れ様です」
そう言いながら、グラスを持ち上げた。
相変わらず、お母さんは嬉しそうにしてくれて、グラスを軽くカチンと重ねてみた。
仕事終わりのウメッシュは、やっぱり美味しい。
自然に笑顔が出てしまって、お母さんと目が合った。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月12日 17時
