3 ページ3
・
有岡「ちげーの?」
A「クラゲ!
あの頃の裕太くんとの思い出……」
有岡「クラゲな」
急に思い出した“裕太くん”
思い出したというか、忘れよう忘れようって昨日からずっと思ってるやつ。
そんな私の表情を察した有岡。
有岡「もっと分かりやすいのがいいよな。
それは、いったん外したら?」
そう言って、有岡の手が胸元に伸び、クラゲの形をしたフエルトの名札をつかまれた。
A「あ、縫い付けてあって取れない……
明日は違うの持ってくし……」
完璧脳内が裕太くんでいっぱいになった。
色んな思い出が、次から次へと再生される。
有岡「あー、先生の胸、柔らかかったー」
A「え、ちょっと!」
有岡「せんせー!俺、これ見たい!」
A「あぁ、パン屋に五つのメロンパン…ね」
有岡「知らない」
A「あー、じゃあこれ、とんでったバナナ」
有岡「んー、手袋じゃなくていいや。
絵本にして!」
A「面倒くさい、ガキだな!」
有岡「あ、ひでー!」
A「うるさい!
これ、からすのパンやさん」
有岡「あ、これ、すげー前からあるよな」
A「お父さんが買ってきてくれたやつね。
今の子たちにも人気なんだ」
有岡「ちょっと待って。
ちょっと‥‥」
有岡はソファーに移動して、クッションをひじ掛けに乗せ、寝る体勢をとった。
有岡「お昼寝の時間だからいいんでしょ?」
A「まあ、いいけど。
あ、今日、バイトは?」
有岡「今日、バイト入れるなって言われてっから」
A「あ、デート?
起こした方がいい?」
有岡「電話で起こされると思うから、これだけ……」
ソファーの前のローテーブルにスマホを置いている。
まあ、忙しいんだよね、有岡も。
昨日、ちゃんとお布団で寝てないし、寝かしてあげないと。
絵本を読む前の導入の手遊びを、ニヤニヤしながら見ている。
あんなに嫌がったのに、堂々とやりだした自分にもビックリする。
有岡はすぐに目を細めて、すぐに寝てしまった。
パサパサとキレイなまつ毛が、あの頃と変わらない。
22歳にもなると、髭は濃くなるんだな。
ブランケットをかけて、ソファーから離れた。
ピアノの近くで、一人色んな練習を始めた。
・
1150人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時