45 Daiki ページ45
Daiki
A「ごめんね、狭いよね」
有岡「いや、大丈夫」
少しだけ顔をこっちにむけてるけど、目は合わない。
少し間をあけてから、ゆっくり話しだした。
A「あのさ、悩んでる事があって」
有岡「え、何？」
体を引き、上半身を少し離してAの表情が見えるようにした。
A「んー、言わないようにしようって思ってたんだけど･･･」
有岡「うん･･･」
大きな目が俺の目をじーっと見てる。
その後、目をそらされ、下を向きながら話しだした。
A「あのね、こっちに来るって決めた理由ね、裕太くんの事だけじゃないんだ」
有岡「うん」
A「有岡のね･･･有岡に会わなくて済むと思って引っ越してきたの」
有岡「えっ･･･」
ビックリした。
俺のせいだって言うの？
Aは、へへって笑ってる。
有岡「ごめん、やっぱり迷惑だったんだ。
おばさん達、それで俺の事･･･」
A「ううん。
お母さん達には言ってない」
俺にとってはショックな内容なのに、柔らかい笑顔を見せた。
有岡「で、悩んでるって、俺に出て行ってほしいって事？」
A「ううん、違うよ」
優しい目で俺を見ている。
有岡「どう違うの」
A「あのね、有岡のだらしない生活を見るのが辛かったの。
裕太くんと付き合ってたけどね。
もちろん裕太くんが大好きだったし、本当に幸せな日々だったんだよ。
だけどね、なんだろうね、昔から知ってる幼馴染だからなのか、ちょっとだけ付き合ってたからなのか、有岡の女の子との事が本当にイヤで。
おばさんからも色々聞いてたし、ね？なんか関わりたくないというか」
有岡「うん……」
はっきり言われると辛い。
A「で、こっちに来てね、有岡の姿を見なくなってホッとしてた。
これで、イヤな気持ちにならないって思って。
一人ぼっちになるって事より、そのホッとした気持ちの方が大きかったの」
有岡「そうなんだ」
A「でね、二週間過ごしてね、仕事が始まるなーって、気持ちに気合を入れてたとこに、突然現れたわけじゃない」
有岡「うん」
A「ビックリしてね。
なんで？なんで？ってなって、どうしようって焦って」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月27日 23時
