28 映画鑑賞 ページ28
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有岡「あ、いいね。
ポテチも買うだろ。
食いすぎだな」
A「あっ!」
有岡「なんだよ」
A「いや、お風呂入ってからにしない?
見終わって、そのまま寝られるように」
有岡「え、泊まってくの?」
A「バカなの?
歩いて三歩で家に帰れるから、泊まるわけないでしょ!」
有岡「なんだよ、ダブルベッド効果かと思ったのにさー。
でも、それ分かるから、風呂はどうする?」
A「どうするって、自分ちで入るに決まってるでしょ!
ちょっと作ってくるね。
待ってて」
慌てて自分の部屋に戻り、お風呂を作るためにスイッチを入れた。
そして急いで家を出て、玄関の前で待ってた有岡と、歩きだした。
A「あ、傘!
まだ雪降ってるよね」
有岡「持ってくる」
階段の途中から、一段抜かしで登って行って、すぐに戻って来た。
A「あぁ、言うの忘れた」
有岡「いいだろ、一本しかないの!」
男って、傘を一本しか持ってないんだ。
建物から出て、透明のビニル傘に二人で入った。
くっついて入るために、私も傘の柄を指先で触った。
肩が触れ合うから、緊張する。
有岡「何?」
いちいち聞かないで欲しいのに。
A「背が低いと、こっちが濡れないでいいから、いいね」
有岡「また誰かと比べてんのかよ」
A「比べた結果、有岡の方がいいって言ってるんだからいいじゃん」
有岡「あいつの事は、思い出すな」
A「分かってる」
斜め前にあるコンビニに着き、傘を閉じた。
一つのカゴに、欲しいものを入れていく。
A「アイス、どの味にする?
違うのがいいじゃん」
こんな事言いながらの買い物は、なんだかんだで楽しい。
コンビニの袋いっぱい買って、また相合い傘で帰ってきた。
A「さむっ!お風呂入ってくるね」
有岡「あ、勝手に入ってきていいから」
そう言って、今自分の部屋を開けたばっかりの鍵を、私の手のひらに置いた。
A「うん…じゃあ、また後で」
男の人の家の鍵を持つのは初めてで緊張する。
有岡は、昔、お母さんとおばさんがこっちに遊びに来てる時に、有岡家に置いてある合鍵で、勝手にうちに出入りしてた。
それに、今までの彼女の合鍵も持ってたかもしれない。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時