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有岡「え、そうだっけ?」
伊野尾くんと八乙女くん、
有岡とたった今まで話してた人たちが笑いだした。
もちろん、彩ちゃんを除いて・・・
伊野尾「いいじゃん!幼馴染なんだもん!
なんでも知ってるんだし!」
A「な、何も知らないって」
有岡「俺は知ってるぜ。
A、ここにホクロあんの」
有岡が指さしたところは、私の右胸・・・
ちょっとだけ膨らんだそこを、遠慮なく指さした。
A「ちょっと!やめてよ!」
こちらに向いた腕を、思いっきりはらった。
骨と骨が当たり痛かったけど、もっと心の中が痛かった。
有岡の後方に立つ彩ちゃんが、泣きそうな顔をしてたから。
有岡「いいじゃん、幼馴染なんだから」
伊野尾「そうだよ、幼馴染なんだからいいんだって」
この二人、いつからこんな仲良くなったのよ。
二人に構わず、有岡を押しのけ、彩ちゃんの前に立った。
彩「な、何・・・」
A「有岡はね、湯船なんか入んないから。
ずっと水鉄砲しててね、じっとなんかしてないんだから」
有岡「あ、ちゃんと覚えてるんだ」
私と彩ちゃんの間に入ってきた。
伊野尾「あー、水鉄砲でAのホクロ、狙っちゃったぁ?」
伊野尾くんまでこっちにきて、大笑いしてる。
葵「もう、ふざけないの!」
伊野尾くんの保護者みたいに、葵ちゃんが引っ張って元の席に戻してくれて、私も慌ててついていった。
私の後ろでは、ちゃんと有岡が彩ちゃんをフォローしてて。
「仕方ないじゃん、小さい頃の話なんだし」
って、彩ちゃんの頭をくしゃくしゃって撫でてあげてた。
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いいなぁ・・・・
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笑い者にされるのは辛い・・・
『幼馴染』って便利な言葉が、私たちの距離を、くっつけたり離したりしてた。
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その日の帰り道。
葵ちゃんと二人で帰ってる時に
葵「あのね、慧ちゃんがね、Aちゃんの事、ずっと心配してたんだよ」
A「え、私?」
葵「うん、あんなひどい事されないようにするには、どうしたらいいのかって」
A「あ、うん・・・」
葵「でもね、有岡くん、彼女出来たじゃん。
だから、もうAちゃんはいじめられないなって安心してた。
ただの幼馴染なのに話せないとか、くだらないって」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時