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八乙女くんが器用に大きく膨らましてくれて。
伊野尾くんは、すぐに穴があいちゃってた。
伊野尾「女子も作れよ」
葵「慧ちゃんたちが使ったストロー、やだもん」
伊野尾「なんだよ、それ。
俺ら、めちゃくちゃキレイだけど」
やっぱり、これは普通だよね。
幼馴染だって、同じストロー使わないんだよ。
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ふと、夏休みの映画館での飲み物の事を思い出した。
やっぱり、あれって普通じゃないんだって。
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伊野尾「ほーら!」
葵「キャッ、ちょっと!」
風船玉を落としたらダメってのが始まって。
ほぼ家の中で暴れたりしないけど、隣りの部屋も使って、四人で大暴れしてた。
12月だというのに暑くなって、カーディガンを脱いだくらい。
八乙女「もー、ギブ!
俺ばっか、狙うなって」
伊野尾「あー、疲れたー!」
A「ふふっ、じゃあ、そろそろケーキ食べよ!
葵ちゃん、手伝って!」
葵「うん!」
一応女子だから、そういう事も出来ますってアピール。
A「あ、そうだ!
ケーキ切る前に、写真撮ろうよ。
お母さんにデジカメ借りといたから。
タイマーで大丈夫だと思うし」
八乙女「よし、じゃあクリスマスツリーの前でケーキ持って・・・」
八乙女くんがセットしてくれて、写真を撮った。
タイマーがピカピカ光るのがなんか面白くて、笑いをこらえるのが辛かった。
その後切り分けて、ケーキを食べてたら、伊野尾くんが
伊野尾「ピアノ、Aがやってんの?」
A「うん、そう」
伊野尾「見てもいい?」
A「いいけど・・・」
ピアノの上に置いてある教本を取り、ペラペラとめくっている。
葵「慧ちゃんもね、ピアノ上手いんだよ」
A「そうなの?」
伊野尾「まあ・・・俺、これやったわ」
A「え、もう終わってるの?」
伊野尾「うん」
ひょうひょうと答えてるけど、私にとっては、かなり難関なんだよ、それ。
八乙女「えー、伊野尾のピアノ、聴きたい」
伊野尾「まず、Aが弾いてみてよ」
A「えー、伊野尾くんより確実に下手だよ」
葵「Aちゃんのも聴きたい!」
仕方なく、四月の発表会でやった、なんとも定番の「エリーゼのために」を弾くことにした。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時