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有岡「A、ごめん・・・」
伊野尾くんの事、無視した・・・
有岡「ホント、嫌な思いさせて」
だから私も、有岡の言う事に返事をしなかった。
葵ちゃんが私の手を握ってくれてて、少しだけ気持ちが落ち着いてたし。
伊野尾「で、あいつらに文句言ったわけ?
俺のAに、何したんだよって聞いたわけ?」
有岡「誰がやったか、分かんねえじゃん」
伊野尾「本気で思ってんの?」
八乙女「伊野尾、やめろよ。
無視しようぜ」
伊野尾「俺だったら、あんなやつらと一緒にいない。
トイレでイジメられた事も知ってんだろ?
もし葵がそんな事されたら、絶対そいつら許さない。
もちろんAだって、そう。
好きな女も守れないで、中途半端にAに優しくして、チヤホヤしてくれる女を選ぶとか、ぜってーありえねえわ」
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下を向いて聞いていた有岡の右手の拳が、プルプルと震えていた。
この感じ、ヤバい・・・・
有岡「うるせぇー!」
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キャーーー!!
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有岡「あっ・・・」
葵「Aちゃん!大丈夫?!」
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やっぱり手が出た。
いつも都合が悪くなると、手が出るから。
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痛い・・・
有岡の拳が口元に当たった。
そのまま地べたに倒れ込んでしまった。
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私のランドセルで、伊野尾くんを押してしまい、一緒に倒れている。
伊野尾「葵、保健室!」
葵「うん!」
A「いや!大丈夫!
全然大丈夫!」
慌てて立ち上がって、砂で汚れた服を葵ちゃんと一緒に払っていたら
伊野尾「おい、有岡。
Aが守ったのは、俺じゃねえかんな。
こんな時だって、お前を守った。
自分がケガしたら、揉み消せるって思ったんだろ」
葵「キャー!
口から血が出てる!」
伊野尾くん・・・それを言わないで・・・
葵ちゃんの腕を払って、走り出した。
有岡の友達の前も過ぎて、全速力で走った。
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殴られた口元がヒリヒリしだして、
悔しくて、
痛くて、
悲しくて、
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もうどうしたらいいのか分からなかった。
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「Aちゃーん!」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年8月29日 23時