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看護師さんに手伝ってもらう事にした。
看護師「肩に、タオルを乗せて、そこに赤ちゃんの顔が乗っかるようにして抱きます。
全体を支えて、背中を軽くトントンって叩くと出ると思いますが・・」
大貴の腕全体で、桃ちゃんが支えられ、細くてきれいな指が、小さな背中をトントンと叩いた。
A「出ないね。
ねえ、ここから見る桃ちゃん、可愛い!」
大貴の肩に乗ってる顔が、可愛くて。
思わずスマホのカメラを向けてしまった。
ずっと待ってたのに、よく見たら寝てない?
看護師「あ、寝ちゃったみたいですね」
A「ゲップしなくて大丈夫なんですか?」
看護師「仕方ないですよね。
じゃあ、ここに寝かせてください。
あ、ホントはオッ パイあげる前に、オムツのチェックをした方がよかったんですよね。
ちょっとかえてみます?」
A「はい・・・」
まず、新しいオムツを敷いてから開くってのは習ってきたから。
それを思い出してやってみる。
看護師「男の子は、勢いよく出てくることあるので、いつでもおさえられるように気を付けてください」
A「・・・はい」
練習用のお人形とは全然違って、とっても緊張した。
看護師「うん、大丈夫そう。
どうします?新生児室戻しますか?」
有岡「もう少し一緒にいます」
看護師「分かりました。
新生児室は、お母さんしか入れないんで、連れて来ていただけると」
A「わかりました」
看護師「また、オッ パイあとであげてみましょうね」
A「はい、お願いします」
そして、カーテンの中は、親子三人、水入らずになった。
有岡「A、少し休むんだった?」
A「ちょっと傷が痛いかな。
少ししたら、連れてくね。
ねえ、三人で写真撮ろうよ」
有岡「おぉ、そうだな」
二人で桃ちゃんを挟むように顔を近づけて、写真を撮った。
私のスマホの画面の中には、幸せそうな二つの顔と、のん気に寝ちゃってる小さい顔。
有岡「おぉ、いいねー」
大貴の許可がおり、スマホを置くと、大貴は桃ちゃんの手の中に、自分の人差し指を入れていた。
入れているというか、つかませたいっぽい。
有岡「Aもやってみて」
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作者名:やまぱん | 作成日時:2018年5月14日 22時