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有岡「おぉ、そうだ。
おはよ、悠貴。
って、急に悠貴って呼んでもわかんねえよな」
A「赤ちゃんって、目が悪いみたいだけど、大貴の方見てるね」
有岡「えっと、桃ちゃんは、無事にお腹の外に出てこられたので、お外では「悠貴」って名前になります。
ママも呼んでみるから、聞いてて」
聞こえてるんだか聞こえてないんだか、うーうーって言いながら手と足をいっぱい動かしていた。
A「悠貴くん・・・ママは悠ちゃんって呼ぶけど、これからもよろしくね」
有岡「よし悠貴、んー、わかんなくなるといけねえし、俺も悠ちゃんって呼ぶか」
ビデオを回しながら、小指を握らせている。
大貴の手が、いつもより大きく見えて。
悠ちゃんも私も、この人に守られてるんだなって思えた。
A「やっ・・」
有岡「あっ・・」
二人で同時に声を出したのは、悠ちゃんがまん丸の口を開けて、あくびをしたから。
有岡「やべー、可愛い！」
ビデオを閉じ、我慢の限界だったのか、悠ちゃんを抱き上げた。
抱き方も上手になってきて、腕で包み込みながら、胸でも支えるように密着させている。
それなのに・・・
ンギャー ンギャー
泣き出した。
有岡「どうちた？悠ちゃん、ｵｯ ﾊﾟｲの時間か。
いいなー、泣くとｵｯ ﾊﾟｲ見せてくれるんだもんな」
A「ちょっと、大貴！
見せてるんじゃないからね」
有岡「ふん、はい、どうぞ！」
すねてる。
すねて、悠ちゃんを私に渡してきた。
A「あーっ、オムツもだね。
じゃあ、行ってこよっかな」
授乳室に悠ちゃんと二人で向かい、なんだかんだで30分以上はかかってしまって。
病室に戻ってきたら、大貴はベッドで寝ちゃってた。
息子にまでヤキモチをやくなんて、どうなってるんだか。
たまには私からだってしたくなる・・・
横を向いててしづらいけど、力の抜けた赤い唇に、押し付けるように唇を重ねた。
リップ音がしないように、そっとね。
・
・
有岡「んん・・・」
A「起きた？」
有岡「ん・・・」
目をゆっくり開け、目が合った。
そして飛び起きた。
有岡「あぁ、ごめん。
寝ちゃってた。
A、寝るんだったよな」
A「ううん、大丈夫。
ねえ、看護師さんに言ってきた」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年5月14日 22時
