一児の母が薄桜鬼の世界へ！？母は強し！《肆》《薄桜鬼》

第六十六章 ページ15

「新選組の評判って京では散々だけど、中には良い人もいるのね。あいつ、最近落ち込んでるみたいだから何か気持ちが明るくなるような、楽しい話をしてやってくれって」


「えっ？原田さんが？」


「あっ、これは内緒にするって約束してたんだった」


お千ちゃんは話しながら原田さんを見て言った後、隣にいる夕奈ちゃんに視線を移して私に聞いてきた


「ねぇ、千鶴ちゃん。彼の隣にいる人は？」


「あ、夕奈ちゃんって言って、訳あって私と同じく新選組にお世話になってる人だよ」


「へぇ...あの人も女の人？」


「えっ？あ、うん」


教えてよかったのかな？
でも、お千ちゃんなら大丈夫だよね
隊士の人じゃないし、他の人には言わないと思うから


「あの二人って、お付き合いしてるの？」


「そういう話は聞いてないから、してないんじゃないかな」


「えぇ！？あれで！？恋仲ですって雰囲気なのに？！」


「うん。あの二人は、私の憧れなんだ。誰かを好きになったら、あんな風になりたいなって」


「確かに、あんな風になれたらお互いに幸せそうね」


私は心に思っていた事を初めて人に話した
だって二人は凄くお似合いで、お互いの事を理解し合ってて、素敵だし大人だなぁって思ってた

それに、お互いを見る時の顔が凄く優しい

もし、私に想う人ができたら、二人みたいな関係になりたいと思う

女の子と恋の話で盛り上がるのは凄く楽しくて、あっという間に時間が過ぎていった




第六十六章
￣￣￣￣￣

(ほんと、左之さんは優しいなぁ。こういうさりげない気遣いができるって、かっこいい)

(夕奈にかっこいいなんて言われると、照れくせぇ。こいつに惚れてから、俺が俺じゃねぇみてぇだ)

(二人が恋仲になったら、私まで幸せな気持ちになる。でも、そうなったら夕奈ちゃんを取られたみたいで少し寂しいな...)

(あの女の人、何だか不思議な感じがするわね。害はないと思うけど、念の為少し調べてみようかしら)

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