第五十三章 ページ36
「山南さんも可哀想だよな。最近は、隊士達からも避けられてる」
夕暮れ時、土方さん含めた幹部達が壬生寺に集まっていた
左之さんが言ったことに反応する千鶴
「避けられてる?」
「誰に対してもあの調子だからなぁ。ま、夕奈ちゃんに対しては違うけどよ。隊士達も怯えちまって、近寄りたがらねぇんだ」
「昔はあぁじゃなかったんだけどな。親切で、面倒見が良くて」
「穏やかで優しくて...表面的には」
「でも、腹ん中は真っ黒で」
「そうそう、真っ黒」
「「あっはははは!」」
左之さんと新八はお互いに少し元気のない乾いた笑い声をあげる
「冗談でも言わないと、やり切れませんよね」
階段の所で私の隣に座っていた総司が静かに口を開いて言えば、少しの間が空く
「それにしても伊東の野郎、弁が立つだけに腹が立つ」
「気取ってるっつうか、人を見下してるっつうか。それにしても夕奈ちゃん、さっきのは驚いたぜ」
「何が?思った事を言ったまで」
左之さんが言った後に新八も続けて言うが、急に私を見て先ほどの事を持ち出して来た
思い出すだけでイライラするため、新八は何も悪くないのに言い方が冷たくなってしまう
ごめん新八
「お前はもうちょっと言葉を選べ」
「選んだ結果があれ。山南さん傷付けたあいつは嫌い」
土方さんはため息まじりに言ってくるが、私は堂々と嫌い宣言をするとそれに乗って来たのは総司と土方さんだった
「僕も好きじゃないなぁ。相当の剣の使い手だってことは認めるけどね」
「気にくわねぇ」
「じゃ、土方さんが返品して来てくださいよ。【新選組にこんなの要りません】って」
「近藤さんが許可するわけねぇだろ。すっかり伊東さんに心酔してるみてぇだしな」
「もぉ、役に立たない人だなぁ。無茶を通すのが鬼副長の務めでしょうに」
「だったら総司、てめぇが副長やれ」
「あっははは、やですよ、そんなめんどくさい...はぁ」
二人のやり取りに黙って耳を傾けながら、赤く色付いた空を見上げる
「斎藤さんも、伊東さんは苦手なんですか?」
「様々な考えを持つ者が所属してこそ、組織が広まりをみせるものだ。しかし無理な多様化を進めれば、内部から瓦解する事もある」
千鶴の問いかけにはじめくんは冷静に答えた
今日、けいちゃんは【アレ】を飲む
羅刹という、人ならざるものに魂を売るーーー
第五十三章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(いよいよ、その時が来てしまった....)
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時