第五十二章 ページ34
「その左腕は使い物にならないそうですが。でも、剣客として生きられずとも、お気になさることはありませんわ。山南さんはその才覚と深慮で、新選組を十分に助けてくれそうですもの」
みんなが新しい屯所を何処にするかという話し合いをしている部屋に、千鶴と一緒にお茶を運ぶ
千鶴よりも少し早く部屋の近くに着けば、中から聞きたくもない胸糞悪い言葉が耳に入って来た
「今のはどういう意味だ伊東さん!あんたが言うように、山南さんは優秀な論客だ!けどな、剣客としてもこの新選組に必要なんだよ!!」
「土方君、私の腕は....」
「あら、私としたことが失礼いたしました。その腕が治るのであれば、なりよりですわ」
「色々意見が出たが、ここはひとつ西本願寺で進めてみよう」
土方さんは伊東さんに向かって反論し、怒りを露わにしているのがわかる
けど、当の本人は全く悪びれた様子などなく、心のこもっていない謝罪を口にした
少しの間の後に近藤さんが話をまとめたと同時に
ーーースパァァァンッ!!!
私は障子を力一杯開け放った
開け放った目の前には、驚いた顔のけいちゃんの姿
みんなも物凄く驚いた顔をしているが、気にせずに私は伊東さんを強く睨みつけながら吐き捨てるように言葉を放つ
「伊東さん、失礼ですが言わせて頂きます。山南さんの何をご存知でさっきあんなこと仰ったんですか?心のこもってねぇ謝罪なんて口にすんじゃねぇよ、胸糞悪い。山南さんは此処に居なきゃいけねぇ人なんだよ、てめぇと違ってな。その口閉じてろオカマ野郎」
最初は丁寧に言った私は偉い
けど、元々口が悪いからイライラしてたらそりゃ言葉も汚くなるわ、仕方ない
言い終わったらもう彼の顔から視線を外し、持っていたお盆を廊下に置き、目の前で未だに驚いているけいちゃんの手を掴んで連れ出した
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時