第四十九章 ページ31
元治元年十月
「伊東殿!お待ちしておりましたぞ!」
「これは局長自らのお出迎え、痛み入ります」
門の前で近藤さんと伊東さんが握手をして言葉を交わしている
そんな様子を建物の陰から幹部隊士がコソコソと見ていた
「あれが伊東甲子太郎。一刀流の免許皆伝らしい」
「ねぇ、何で私まで連れて来られたのか意味がわかんないんだけど」
「そんなの決まってるじゃない、暇潰しだよ」
「暇潰しって...」
新八の言葉を聞いた後に、私は一番の疑問を口にする
そう、何故かコソコソと見る側に私も連れて来られた
そりゃもう有無も言わさず総司に引っ張られて来たわけだが
そんな私の疑問に連れて来た本人が悪びれた様子もなく、いつもの笑みを浮かべながら驚きの理由を口にする
大きく溜め息をつくのは最早仕方ない事だと思います
「伊東さんは尊王攘夷派の人間と聞いたが、よく新選組に名を連ねる気になったものだな」
「長州の奴らと同じ考えってことか。そんな人間が俺らと上手くやれるのかねぇ」
「伊東さんは学識も高く弁舌にも優れた方ですよ」
「へぇ。じゃあ、山南さんは知り合い...」
はじめくんが話した後に左之さんが口を開けば、背後から聞き慣れた声がして振り向くとそこには何を考えているかわからない表情をしたけいちゃんがいた
彼から放たれた言葉は温度がなく、言い終わってすぐに左之さんの話も聞かずに立ち去った
「山南さん、最近益々愛想無いよな」
「あぁ、ここんとこ滅多に話もしねぇし。まぁ元々無駄口叩くような人じゃねぇけどよ」
そんな彼の姿を見て、新八と左之さんは思っていることを口にする
その後ろで総司が葉の茎を加えながら遠くを見ているのが視界に入った
そう言えば、総司とけいちゃんはもうやり取りをした後か
そんなことを思いながら、晴れ渡った空を見上げた
第四十九章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(けいちゃんが薬を飲むその時が、刻一刻と迫って来ている)
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時