第三十六章 ページ4
「伝令ーー!!!」
四国屋へと辿り着いた雪村は大きな声を出して知らせる
「雪村君!?」
「何やってんだてめぇは!」
井上と原田はここに雪村が来たことに驚いているが、本人は両膝に手を着き息を整える
「はぁっ、はぁ、はぁっ、本命は...池田屋!!夕奈ちゃんも、池田屋にっ!!」
「夕奈がっ!?」
まだ息も整わぬ中早く伝令を伝えるために言葉を発する
そして、夕奈と名が出た瞬間原田は大きく目を見開き驚愕した
「総司!!!」
私が部屋に入ると、総司の刀は千景の脇で受け止められ蹴られる寸前だった
急いで千景の元へ走り間合いを詰め、刀を振りかざし斬りかかる
それを防ぐために千景は総司の刀を離し私の刀を持っている刀で受け止めた
「夕奈...?どういう事だ」
「.....刀を引いて、千景」
私の刀を片手で易々と受け止めながら眉間にシワを寄せ、睨みながら聞いてくる相手に負けじと睨み返しながら言葉を交わす
そして、お互いに視線を外す事なく睨み合った
「お前、何やってんだ!」
「君はこんなとこに来ちゃいかん!」
土方達が漸く池田屋に着き、雪村が池田屋に入れば、永倉と近藤が気づき此処から出るように言う
しかし、永倉の手を見て雪村は心配した面持ちで口を開いた
「永倉さん手に怪我を...!」
「こんなのはかすり傷だ。それより、上で総司と夕奈ちゃんが戦ってる!」
「沖田さんと夕奈ちゃんが!?」
永倉の言葉に驚きと心配が入り混じる
「総司はどこだ?!」
「二階です!」
「私、行きます!」
「雪村君、いかん!!」
近藤の制止も聞かずに二階へと駆け上がる雪村の目の前に浪士が立ちはだかり、刀を振りかざそうとした瞬間ーーー
「あっ!!」
ーーーズブッ!!
「斎藤さん!?」
「あんたに死なれても目覚めは悪いが、俺の仕事はあんたを守る事じゃない。勝手に飛び込んで来たのなら、自分の身は自分で守れ」
雪村の後ろから一振りの刀が浪士の胸を突き刺した
後ろを見れば、其処には斎藤が立っていたのだ
そして斎藤は静かな声色で雪村に忠告をすれば、それを聞いて彼女は強く頷き二階へと上がった
第三十六章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(総司は蹴られてないし、吐血もしてない。良かった、何とか間に合った)
(目の前に知っている女が現れ、俺に刀を向けて来た。どう言うことか、理由を聞かねばなるまい)
138人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時