第九章 ページ31
廊下を歩いている時にふと土方さんが何とも言えない表情を浮かべながら、私の格好を見て言って来た
因みに私の今の格好は、デニムのショートパンツに細身の黒のTシャツ、白のロングカーディガンだ
この時代、今は真冬だから物凄く寒いのを我慢してたりする
「...だいたい何でそんなに素足を曝け出してやがる。隊内が乱れんだろうが!」
「え、今更この格好に突っ込みます!?遅くないですか、普通一目見たときに突っ込むべきですよ!?」
「別にいつでもいいだろうが!!そんな格好してるやつなんざ、この時代にいねぇんだよ!」
「でしょうね。すみませんね、こんな見苦しい物をお見せして、土方さんの目を汚してしまって」
「なんだ見苦しい物って、別に目を汚したなんざ思ってねぇよ」
「え、じゃあ何ですか、もしかして見れて良かったとか思ってます?」
「んな事思うわけねぇだろうが!!誰がてめぇの足なんざ見て良かったなんて思うんだよ!」
「いやいやいや、さすがにその反応は傷付きますよ。私一応女なんですけど!」
「てめぇみてぇな女この時代にゃいねぇんだよ!」
「いるでしょ!その辺探せば私みたいな女一人や二人いるでしょ!」
「いねぇよ!」
「いるって!」
私達が廊下で騒いでいるのを聞きつけたのか、いつの間にか周りには左之さん、平助、新八がいた
「土方さんと夕奈、何言い合ってんだよ?」
「二人してでかい声出してるから、丸聞こえだぜ?」
「話は終わったのか?」
「何でもねぇよ。てめぇらこそ何してやがる。まさか、これから島原に行くってんじゃねぇだろうな」
三人が揃っているところを見て、土方さんは鋭く睨みつけながら一人ずつ顔を見て
「や、やだなぁ土方さん!そんな事ないって!俺達が島原に行ったら、其奴の監視が居なくなっちまうじゃん!」
「そ、そうだぜ土方さん!さすがの俺達もこんな時に行くわけねぇじゃねぇか、なぁ左之!」
「あぁ、だな。俺達は二人の言い合う声が聞こえたから来てみただけだぜ?」
左之さんは普通だったが、平助と新八の反応を見た私達は合図も何もしていないのに、自然と言葉が重なった
「「行こうとしてたな」」
え?っと思わず隣にいる土方さんを見上げれば、向こうも同じ驚いたような顔しながら私を見下ろしており
三人も驚いたのか、少しの沈黙の後平助と新八が騒ぎ出した
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月11日 20時