第八章 ページ29
土方さんの部屋へと着けば、目の前に座る
少しの沈黙後、土方さんは口を開いた
「ーーーお前は【全て】知ってると言ったな。なら全部話せ」
「......すみません。それは出来ません。」
否定した私を睨みつける
怖いけど、言わないと決めた
言ってはならないと思った
何があっても黙っていようと、そう決めたのだからこんな事で臆するわけにはいかない
「何だと？お前は自分の立場がわかってんのか？」
「それは十分に理解してます。ですが、未来の事やこれからの事を話す気はありません。それに、私がこの世に来て新選組と関わりを持った時点で、どうなるかわかりません」
「....なるほどな。てめぇの知ってる通りになるとは限らねぇし、寧ろ知らない方向へと進むかもしれねぇってこった。下手に俺達に情報を与えるより、黙ってた方が歴史をあまり変えなくて済む」
「はい。後、私が今後のことを伝える事で、死ぬはずのなかった人が死ぬ可能性も無きにしも非ずですし」
(土方さん本当に頭がキレる。さすがだなぁ。見習いたい)
「...現段階でてめぇは俺達の中で誰が死ぬかも、誰が生き残るのかもわかってる。そして、羅刹になる奴とそうでない奴も知ってやがる。それを伝えたら、もしかしたら全滅って事もあるわけだ」
「はい。なので、私は何もお話できませんししません」
「ーーーわかった。なら、俺は俺のやり方でお前の知っていることを探らせてもらう」
「いいですけど、私はボロは出しませんよ。それに、元々この時代にいなかった私は【異質な存在】のままなのか、それとも【同質な存在】になっているのかすらわからないですし」
「お前がもし【異質な存在】のままだったら、歴史が変わっていると考えるほうが妥当か。だが、【同質な存在】になっているなら、上手くお前はこの時代に紛れ歴史通りに進むかもしれねぇ。どっちなのかをどう判断するかだな」
「判断材料としては私の知っている歴史とおんなじ事が起きるかどうか、になって来ると思います。まぁどっちになったとしても、教えませんが」
「.....はっ、こんな状況で良くもそんな強気でいられるじゃねぇか」
「臆したら負けなので」
「ーーーほぅ。言うじゃねぇか」
土方さんと話していると、頭の回転が早いという事を身をもって知る
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
