原田side ページ19
「彼女は未来から来たと言っていました。それが本当ならば、十分に利用価値はあります」
「おい、山南さんあんた何言ってやがる!!あいつを利用するだと...?」
「えぇ。そうなれば、殺さずに生かして屯所へ置いておくことができますしね」
「そういう問題じゃねぇだろ!!あいつも人間だ!!そこにあいつの意思はねぇじゃねぇか!!」
俺は山南さんの言葉が頭にきて、怒鳴りながら立ち上がった
「お、おい左之!!落ち着けって、お前らしくねぇ!」
「そうだぜ左之さん!どうしちまったんだよ!」
今にも山南さんに殴りかかろうとしていた俺を止めたのは、新八と平助だった
「原田、少し落ち着け。山南さん、あんたもだ。わざわざ原田を刺激するような事言わないでくれ。話が進まなくなるだろ」
土方さんは静かに、だが有無を言わさない声音と視線で俺を見た後山南さんを見やる
その声で俺は少し冷静さを取り戻し「取り乱してすまねぇ」と詫びを入れながら座り直す
そして、土方さんが口を開いて決定を下した
「...あいつは、新選組お預かりとする。山南さんの言う通り、利用価値は十分ある。それに、認めざるをえねぇが、あいつの覚悟は本物だった。それと...いや、何でもねぇ。兎に角、今日からあいつはここで暮らしてもらう。監視は怠るなよ」
「ありがとよ、土方さん」
「別にお前のためじゃねぇよ」
下された決定に安堵の息が漏れ、身体の力が抜ける
土方さんにお礼を言えば、否定されたが心から感謝した
あいつが殺されずにすんで、俺は心底安心し自然と頬が緩むのが自分でもわかった。
原田side
 ̄ ̄ ̄ ̄
(何故だか、あいつを守りたいと強く思った)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月11日 20時