一児の母が薄桜鬼の世界へ！？母は強し！《薄桜鬼》 (ページ12)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:301,494 hit

第四章ページ12

そうだ、何で見たくて見たわけじゃないのにそれだけで殺されなきゃならない？
私は前に一度死んでる
生きれると思ったらまた直ぐに死ぬの？
そんなのごめんだ、ふざけんな
沸々と湧き上がる怒りを少しでも抑えようと俯く

「近藤さん。この方はたまたま居合わせてしまっただけかもしれませんが、私達の秘密を知ってしまった。この事を口外されたらどうするんです？この方が言わない保証なんてないのですよ？」

「だが山南くん！」

山南さんの【たまたま居合わせてしまっただけかもしれない】と言う言葉に私の中でプツリと何かが弾けた

私は俯きながらこっちに向けられた切先を左手で握れば、掌は切れてポタポタッと真っ赤な血が私の太ももに垂れる

「なっーーー！？」

土方さんの驚いた声が聞こえ、周りも騒めくのがわかる
でも、そんなものどうでもいい
掴んだ切先を自分の喉元へと移動させ少し当たったのか、プツッと皮膚が切れ血が喉をつたう
何故か掌の傷も、喉の傷も痛みを感じない
俯いていた顔をあげれば真っ直ぐと土方さんを睨んで息を吸い、一気に言い放った

「ーーームカつくんだよ。何がたまたま居合わせてしまっただけかもしれないだ？何が見たから殺すだ？ふざけんなよ。こっちは完全に被害者だろ。てめぇらに非が全くないって言い切れんのか？何か意図があって彼奴らを外に出してたなら、それを見た私は悪いと思う。けど、そうじゃねぇよな？さっきの報告で【脱走した】って言ってたもんな？それってさ、完全にそっちの監督不行届だろ。見られちゃまずいものを外に出したのはてめぇらだろ。罰を与えられるのは、寧ろその監督不行届だった奴じゃねぇの。自分たちで逃したくせに、見たくもないもの見て襲われて怖い思いして必死に逃げて、殺されかけたやつを、ただ【見たから】って理由だけで殺すのは可笑しくない？私はそう思うんだけど。私が言ってる事間違ってる？てめぇらが言ってる事、やろうとしてる事の方が正しいわけ？自分たちに少しでも非があると思うのなら、相手の話を聞くくらいしてもいいんじゃねぇの。それとも自分たちに非があったとしても、見ちまった奴の話なんか聞かずに斬り捨てるってか？」

怒りが爆発し、相手が話す隙を与えず一気に喋る
みんなすごい顔してるだろうなぁ、なんて頭の何処かで冷静に考えているが、今はとにかくこのイライラをぶつけてやる、くそったれ

第四章
￣￣￣

(全部私が悪いみたいに言いやがって、クソ野郎)