。終止符を打って33日目 。 ページ33
五条side
「……Aの…母親?」
目を覚まし、真っ白な空間をひたすら歩いていたら扉が現れた
びっしりと彫刻が施された扉だ。
その扉を開ければ まるで違う世界にきたみたいに映し出された
Aによく似た女性…話を聞いてる限り母親だろう。
その後も映像は映し出された。Aの母親の記憶だと思う
五条家に何故、この術式についての資料があったのかも納得だ。
まさかAの母親を殺す手伝いをさせられようとしてたんだね
でも彼女は自害を選んだ。
ナイフと共に握りしめていた鍵は僕が資料保管庫で触れた鍵だった。
壊してしまったが……大丈夫だったのか
いや、それより…Aの母親が導いてくれたようでそれが嬉しかった。
耳に劈く笑い声も戯言も、足に纏わりつく重い間隔も全て消えた
「……絶対に…助けるからね…」
映像の消えた空間でそう、つぶやいた時だ。
扉が現れた。さっきと同様、彫刻の施された扉。
なんの躊躇いもなく扉を開けた。
そこには_______
'
「……A」
【っ……どうしてよ、なんで…ッ】
まるで違う世界が広がっているみたいに。
そこは荒れ果てた廃工場だった。
Aの足元には血を流し倒れてる悠仁と恵、野薔薇がいる。
……あの出血の量だと助からないだろう
それをわかっての事か、目の前にいるAの表情は今にでも壊れそうで、泣いていた。
なんだよ、これ、夢か?
こんな幻覚見させるなんて悪趣味だ。悪夢でも酷い。
胸糞が悪い。
引き返すように振り向けば扉は消えていて、
Aの方が音がし視線を戻したその瞬間……
【大丈夫だよ、っもう1回、がんばるから…!】
ガラス破片を手に取り首元に当てるA。
「……やめろ…」
【今度こそ、助けるからね…ッ】
「やめろッ!!!」
Aの元まで走り、手を伸ばした。
ガラス破片を持った腕を掴んだ。
でも僕の手はすり抜けてってそこは血の海となった。
「……」
なんだよ、これ……
動悸が凄い僕に追い打ちをかけるように映像は移り変わる。
【初めまして、梵Aです】
そう挨拶をする彼女。
そして
【ッ……】
【母親に似て馬鹿なヤツめ!】
望未の父親に暴力を振るわれるA。
その様子を望未の母親と望未が笑いながら見ている。
【大丈夫、頑張らないと……】
山積みの報告書を深夜までやるA
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saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時