。終止符を打って28日目 。 ページ28
'
「っ……」
早くしないと、悠仁達が危ない。
僕がどうにかしないと、
Aに変わって守ってあげないといけないのに。
呪いによってそれは叶わない。
耳鳴りが酷くなってきた
声が、笑い声が頭に響く
呼吸も上手くできなくなってきた
足元がふらついて進めない。
Aに変わって………僕が…
、
_____
【___五条さん】
______
脳裏に、僕の名前を呼び笑うA。
「………会いたいなぁ……」
叶うはずのない願いを言い、
立つこともままならなくなった僕は棚にもたれた。
________その時
「!!!」
真っ暗で空気が呪いによって澱んでるこの部屋。
しかし、光が見えたのだ。
……何かが光ってる…?
「……」
その光に導かれるように、ゆっくりと歩み寄った。
光に近づく距離が近づけば近づくほど耳鳴りも、声も、足に纏わりついてた重さも消えていく。
そして
「……鍵…?」
透明なケースに入っている鍵。
何故光ってるのかも分からない。
でも、それに縋るかのように、箱を壊して鍵に触れた。
「……」
その瞬間、手にした鍵は壊れ、意識を失った。
______
___
Aside
「……」
真っ暗な空間。一体どれほどの時間が経ったのかも分からない
自分の存在を閉じ込めてみたが、こんな感じなんだね
死ぬわけでもなく、ただこの真っ暗な空間にいるだけ。
本当に…閉じ込められたみたい
「…」
左手をさすれば、五条さんから貰った指輪を指の腹で触れた。
まさか指輪が残っててくれるとは思わなかった。
真っ暗で……何も見えないけど、
間違いなく五条さんが最後にはめてくれたものだろう。
_____
【____A】
_____
私の名前を呼ぶ貴方の声、まだ覚えてる。
みんなの声も、顔も……思い出も…全部、全部
みんなが忘れても…私は忘れないように。
忘れてしまった時、きっと私は本当の孤独になる。
今はそれが1番怖い。
「……会いたいな、」
貴方が愛しくて、触れれないのが切なくて、会えないのが苦しい。
でも、みんなの記憶を消して私の存在を消したこと。
後悔はしてない。
自分が……みんなを巻き込んでいたのだ。
これぐらいの報いは当然だし、償う。
私が幸せになんかなっちゃダメ。
みんなが幸せならそれでいい
そう思った時。
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saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時