。終止符を打って13日目 。 ページ13
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「……ん…」
目が覚めれば、白い天井が目に入った。
薬品の匂いもする。
「やっと起きたか」
そう言う硝子は、僕に点滴をさしてるところだった。
「疲労と寝不足もあると思うが、呼吸困難で意識を失ったな。
なにか心当たりは?」
「……」
頭がぼーっとしてるせいか、返す言葉すら出てこなかった。
そんな時、
「五条先生!!!大丈夫!?」
「私に続いて先生まで倒れちゃったか…」
「珍しいですね、五条先生が倒れるなんて」
硝子の後ろから、悠仁や野薔薇、恵がベッドの横から僕を心配そうに見る。
「……」
そうだ、なんで僕…倒れたんだ…?
確か、悠仁達が来るまで外の空気を吸いに行って…
2年生が鍛錬してて…
そんで_____
、
_____
【……愛してます…五条さん…】
______
「!!!」
そうだ、そうだ……!
「Aは、……Aはどこにいるの、!!」
急に体を起こした為、目眩がした。
「おい動くな、点滴中だぞ。
……それに誰の話をしてるんだ」
硝子の声音が怒ってるのは理解出来た。
でもその後の言葉が理解出来なかった。
誰の話をしてるって……
「笑えない冗談はやめてよ、硝子……」
何言ってんだよ、
「ねえ、恵達は知ってるよね、?
知ってるならAがどこにいるのか___」
視線を硝子から恵達に移した。
しかし
「何言ってんだよ、五条先生……」
「そんな人いないじゃない、」
「……」
目眩じゃなく、頭がぐわん、と視界が歪んだ感覚がした。
悠仁と野薔薇の表情からして、冗談じゃないのだろう。
でも、そんなの信じない、信じたくない
「……恵は知ってるよね、?」
縋るように、恵に問いかけた。
しかし
「……いませんよ、そんな人…」
悠仁たちと、同じ表情。
心配を通りすぎて、不安になってるようだった。
「……」
頭に、浮かぶのは血だらけで瀕死の悠仁と恵。
もう助からないであろう野薔薇。
Aに関する記憶は…みんな一切ないのか、
時が戻った…という考えが正しいのだろうか
じゃあ何故そんなことを?
「五条先生、今日はもうゆっくりしよう?」
「そうよ、疲れてるのよ。明日また話しましょ!」
「報告書は俺がまとめておいたので大丈夫ですよ」
「……」
あぁ、君は……
命をかけて…この子達を守りたかったんだね
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saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時