。終止符を打って11日目 。 ページ11
'
______しかし
「おい見ろよ真希!
こんなところに勿忘草生えてるぞ」
「………」
僕の足が何故か、止まった。
「手合わせ中だぞ、パンダ」
「なんだこれ?勿忘草で作った花かんむりがあるぞ……
お!指輪もある!!!!」
そう言いパンダの頭には花かんむりがのった。
その右手には花で作った指輪まで。
「さては真希〜…お前が休憩時間に作ったのか?」
「知らん。」
「作ってたか棘!」
「しゃけ!!!!!」
「おいコラ棘!」
「真希〜お前作り方知ってたのかよ〜」
「なんとなく、作れただけだ。
別に覚えてたとかじゃなくって……」
「ほう〜」
「作ったこと……無かったんだけどな…
、
いや、そんな事はどうでもいい、
とにかく!!手合わせに戻れパンダ!」
「助けてくれよ悟〜」
パンダが真希から逃げるようにこちらへと向かってくる。
花かんむりを乗せたパンダ、悠仁達に見せたいな
なんて思いながら、止まった足を再び前に出した。
「その花かんむり、似合って______」
_______
【……うん、似合うね。これにしよう】
_______
「!!!!」
脳裏に響いた声。
、
…なんだ、今の……僕の声…
僕が言ったのか?
そしてそれと同時に
_____
【指輪……ありがとうございます】
____
「っ…」
耳鳴りと共に脳裏に浮かんだのは指輪に優しく触れる女。
夢に出てくる、顔に黒いモヤのかかった女だった。
足が止まり、呼吸が乱れる。
「パンダ!お前は手合わせだって言ってんだろうが!」
「肩がちぎれる!やめろ真希!!!
ほら、お前にこの指輪やるから!!!」
「いらねえよ!!!」
「勿忘草の花言葉知らないのか!!?」
____
【勿忘草の花言葉、知ってますか?】
____
「っ、」
いつもはノイズがかかる声も、ハッキリと聞こえる。
なんなんだよ、ほんとに、……!!!
「こんぶ………?」
棘が僕の異変に気づいたのか、かけよってくる。
「知るかそんなもん!!!早く戻れ!」
「勿忘草の花言葉は、真実の友情と、
、
_______私を忘れないでっていう意味だぞ!!」
「ッ……!!!」
_______
【私の事、忘れないで下さいね。五条さん】
_______
黒いモヤが一気に晴れた。
。終止符を打って12日目 。→←。終止符を打って10日目 。
1303人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時