不 健 全 な 吉 沢 さ ん

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固く閉じた目をゆっくりと開いて



顔を上げた









「...え？」







目の前の彼を見て私は呆気にとられた。



だって、




『え じゃなくて、あなたは誰なんですかって聞いてんの』





だって、この人わたし知ってるもん




てか知らない人は居ないんじゃないかって言うくらい有名な人だよ








『よ、吉沢 亮』






あの国宝とか、歩く彫刻とか言われているイケメン俳優の吉沢亮だよ





『なに、おっかけ？』



「ぇ、ちがっ」



ぱっと腕を離された





『引っ越してきて早々これかよ』



「いや、だから違います...！」





完全に誤解されてしまった


でも、なんで


なんでここに吉沢亮がいるの？



しかも引っ越してきたって...






『あのさぁ、好きになってくれんのはありがたいけどストーカーみたいな事やめてくんない？』




え、え？


ストーカー？


私が......？






確かに好きっちゃ好きでそれなりにファンは名乗ってきたけど、



いつも画面越しで見るだけだし、



雑誌だってそんな買い占めてない。







なのに、なんでこんな訳の分からないこと
言われなきゃなんないの




今、目の前にいる吉沢亮は私の知ってるテレビの彼じゃなかった





『あの気味の悪い脅しみたいな手紙置いてったのもお前なんだろ』





だから、、




『それって犯罪になるよ』




だから





『いいかげ「いい加減にして！！！！！」





あったまにきた私は彼の話を遮った







「誰の事言ってるか知らないし知りたくもないけど、人違いだから！」




「私はあんたのストーカーじゃない、犯罪だってした事ないんだから！根拠もないくせに人を疑わないで」






はぁ、はぁ と大きな声と若干早口だったせいか


私の肩は上下に揺れていた









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