33話 ページ35
胡蝶「私も訃報を聞いて、真っ先にAさんが心配でした。」
貴方「しのぶ様……ちなみに、伊黒様は?」
甘露寺「伊黒さんも……煉獄さんの事でかなり落ち込んでるみたいで……」
貴方「そっか……そうですよね……みんな辛いのに私だけこんなに落ち込んでてもダメですよね。」
冨岡「立ち止まっていても、煉獄の死を無駄にしてしまうだけだ。柱である以上、隊員を率いていくためにももっと強くなれ。」
貴方「冨岡様……。私、必ず………………煉獄様の仇を私が取ります。必ず。」
(煉獄『俺に構わず自分の生を全うしろ。』)
貴方「私は、私の生を全うします。煉獄様。」
私の安否の心配をしていた柱達はそのまま散り散りに解散した。
屋敷に戻ると、魚や煮物は黒焦げに、米は底が焦げ、味噌汁は水分が蒸発して抜けて具のみになってしまっていた。
朝、切ったさつまいもが地面に転がっている。
貴方「片付けなくっちゃ。」
不死川「俺も手伝う。」
貴方「きゃっ!びっくりした…」
不死川「焦げは俺がとる。Aは洗い物でもしておけ。」
不死川様は、私にすごく気を使ってくれている。
貴方「あ、ありがとう……ございます…」
無言で焦げを取り、ゴミを袋に入れて外に出してくれる。
自分の用事もあるだろうに……
不死川「よしっ……こんなもんだろ……ってまた泣いてんかよ!」
貴方「ご、ごめんなさい……涙」
ギュッ
不死川「今だけは肩貸してやるから。思う存分泣け。存分泣いたらもう泣くな。今だけだ。」
そう言って抱きしめながら肩をポンポンと叩いてくれた。
貴方「うわぁぁぁぁぁぁあん!!涙」
〜
煉獄様の葬儀はどうしても出ると引きずってしまいそうで、顔を出せなかった。
貴方「ごめんなさい、煉獄様。」
最近の任務は煉獄様が居なくなったことで、冨岡様はもちろん、不死川様と一緒に行くことになった。
それ以上に1人での任務が増えた。
任務の時に必ずいつも探している。
『猗窩座』を。
林や森、夜の街を駆け巡り、今までとは違う……血眼で鬼を狩っていた。
貴方「煉獄様を奪った鬼たちを許さない。」
ザシュッ!!
鬼「ぐぁぁあ!!」
貴方「猗窩座……許さない……」
鬼狩りに出た時のAの形相は、もはや鬼の顔と変わらなかった。
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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年8月13日 2時