32話 ページ34
伊之助「死んだ生き物は土に帰るだけなんだよ!べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ!悔しくても泣くんじゃねぇ!どんなに惨めでも恥ずかしくても生きていかなきゃならねぇんだぞ!」
善逸「お前も泣いてるじゃん、被り物から溢れるくらい涙出てるし…涙」
伊之助「俺は泣いてねぇ!!!!」
善逸君を引きずり回す伊之助くん。
貴方「皆……煉獄様の言葉を真剣に受け止めてくれたのね……涙」
先程私が泣きわめいていたことも恥ずかしくなるくらい、伊之助くんが大人だった。
隠「A様、失礼致します。煉獄様をお運びさせていただきます。」
貴方「御足労ありがとう。」
隠「A様!!御屋敷までお供します!」
貴方「ありがとう、頼みます。」
私は夢見ていた。
いつかは煉獄様を『杏寿郎さん』と呼べる日が来るのではないかと。
貴方「……私は…………」
煉獄様の亡骸と離れてまた涙が溢れ出す。
隠「A様!こちらのハンカチを!!」
気づけば走ってきた時に、着物が土で汚れてしまっていた。
あれほど急いで来たと言うのに、煉獄様の最期息を引き取るまでに会えなかったなんて。
私の手料理食べたかったって……
貴方「私だって……煉獄様のお傍にずっと……涙」
隠「……」
隠達に連れられ、自分の屋敷前に帰ってきた時、柱が私の屋敷の前にいた。
伊黒様を除いて……
隠「柱の皆様……!」
柱のみんなの顔を見た瞬間、私は足に力が入らず、その場に崩れ落ちた。
隠「A様!!」
不死川「A!!」
きっと皆、煉獄様の訃報を聞いて心配してきてくれたんだろう。
甘露寺「き、着物がドロドロだわ!わ、私が洗濯を……!」
悲鳴嶼「可哀想に……唐突に大切な人を無くすなんて……だが、後追いをしていなくて良かった。」
後追い……?
私が後追いすると思って……?
貴方「み、みなさん……」
宇髄「いつもお前は俺たち一人一人に声掛けてくれるからな。それだけ俺達柱の中でもAは大きな存在。だから皆心配で来たんだろ」
時透「屋敷、台所から火の匂いがしたから……火を消しておいた。」
あ!……料理……してたんだ……
貴方「ありがとう……」
不死川「隠達、もう戻っていい。」
不死川様が私を立たせ、隠達を本部へ返した。
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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年8月13日 2時