9 苦手 ページ9
あげたメロンパンは宮くんが見事にたいらげた。
いい食べっぷりだなと関心していると、
タイミング良く電車がホームに到着した。
｢俺あっちの車両やから｣
｢あ、うん｣
｢じゃ、またな｣
｢ばいばい｣
軽く手を振ると、私に背を向けて
宮くんは別の車両に向かった。
｢(...あ、そういうことか)｣
電車が来て中に乗り込むと、
乗客はほとんど女性ばかり。
私はそこで、ここは女性車両なんだということと、
宮くんは違う車両に移動したんだと理解した。
｢(あそこに座ろ)｣
空いている席に座り、ふう、と一息着くと、
窓からは綺麗なオレンジの夕日が見えて、
悲観的な気持ちになった。
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翌朝、教室に入ると私の席が見えないくらいに
人で溢れかえっていた。
理由は簡単だ。
｢侑、昨日カラオケ一緒に行くって言うてたやん｣
｢あー、言うたか？｣
｢言うたわアホ！｣
隣の席の宮くんの人気ぶりで、
私の席が埋もれてしまっているし、
それに宮くんのお友達が私の席に座っている。
あの調子じゃあ、座るのは後になりそうだな。
｢Aちゃん、おはよう｣
どうしようかと思いながら突っ立っていると、
ひょっこりと顔を見せたのは宮くんだった。
｢おは、おはようございます｣
｢座らんの？｣
座りたいは座りたいけど、
お友達が私の席に座ってしまってて
座るにも座れない状況なの。
さすがに友達の上に座るなんて奇行は出来ないでしょ？
｢あ、お前座っとるから座れんのや｣
｢おお、すまん西山｣
｢(なんか...申し訳ないです...)｣
いたたまれない気持ちのまま自分の席に向かうと
宮くんの周りにいる人達の視線が
すぐに私の方に向いていることが分かった。
｢(...こういうのがあるから、宮くんて苦手)｣
あんまり、私は目立ちたくない。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
