7 苦手 ページ7
感じ悪かっただろうか。
いやでも、あのイケイケなグループの中で
私みたいな奴がいる方が感じ悪いだろう。
｢(宮くん一緒に帰る気満々だったな...)｣
宮くん達と別れたあと、私は早足で駅に向かった。
駅に着いたのは良いのだが、
電車が到着するまでの時間まで15分もある。
何が言いたいのかと言うと、要するに、暇だ。
｢(ホームに移動しようかな)｣
そう思い、駅の改札を抜けるために
スクールバッグに着いている定期券を
駅員に見せるため、私はカバンを触った。
｢あ、あれ？｣
ない。ないないない。どこにもない。
いつもカバンに付けているはずの
定期券はどこにもない。
これはまさか...
｢(お、落とした...)｣
電車が到着するまで15分ちょっと。
いくら諦めの悪い私でも、
歩いてきた道をもう一度戻ってなんて、
なんか今日は疲れているしそんなこと出来ない。
｢(いいや...財布持ってきてるし、切符買お)｣
私は財布を取り出し、
切符の販売機に向かいながら、
落としたって言ったらお母さん怒るなぁ...
と、我が家で1番の鬼である母に憂鬱になっていた。
｢背中、丸まっとるで｣
｢うっ、わ！！！！｣
｢俺はバケモンか｣
急に後ろから声がして驚いて見てみると、
さっきまで一緒に帰っていた宮くんが居た。
｢え、瞬間移動？｣
｢まさか｣
｢だってさっきまで後ろに居なかったよね？｣
｢走った｣
｢早｣
｢誰のせいやねん｣
ほら、と目の前に出されたのは私の定期入れ。
｢私の定期入れ！なんで持ってるの？｣
｢拾った｣
｢拾ったって...え、どこに落ちてた？｣
｢自分が先に帰るって言うた数分のとこ｣
｢それを宮くんが拾って走ってきたってこと...｣
｢そうなるなぁ｣
｢お、お手数をお掛けしました...｣
一体なんなんだ今日は。
どうして今日に限って、宮くんと多く関わるのだ。
まさかあれか？宮デーなのか？
｢Aちゃん歩くの速いなぁ、
追いつけんかと思ったわ｣
｢いや、まあ...はは｣
宮くん達が後ろに居るから、
今日はいつもより早く歩いてたなんて言えない。
私は笑ってその場をやり過ごした。
｢そういえば、お友達は？｣
｢ん？ああ、置いてきた｣
｢いいの？そんなことして｣
｢別に降りる駅バラバラやし、ええんちゃう？｣
宮くんて、意外とドライなのね。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
