34 苦手 ページ34
｢落ち着いた？｣
｢うん、大丈夫。お恥ずかしいところをお見せして...｣
｢ああ、これはご丁寧に｣
涙も引いてすっかり気持ちも落ち着いた。
宮くんはというと、飽きられちゃったかなと
内心思っていたけど黙って隣に座って、
たまに面白いことを言って慰めてくれた。
｢(宮くんのおかげかな...)｣
私の中で、彼の印象が変わりつつあるのは自覚していた。
｢さて、そろそろ帰んなきゃ｣
｢もう平気？｣
｢平気！そんな落ち込んでもいられないもの｣
長いことこの場所に居たからか、
気持ちも前向きに考えられる余裕もでてきた。
これも、神社の階段に座っていたから
神様も応援してくれたのかな、と半信半疑に思う。
｢ごめんね、こんな夜遅くまで｣
｢謝ってばっかやなぁ、Aちゃん｣
｢だって、こんな時間まで付き合ってもらったから｣
｢せやけど、もっと言うことあるやろ｣
｢じゃあ...ありがとう？｣
｢ふっふ、まあ良し｣
｢なあに、それ｣
やっぱり、最初の時と比べて彼の対応は
ちょっと柔らかくなってる気がする。
いや、多少は仲良くなったからかもしれないけど。
｢じゃあ、ここでね｣
｢家まで送んなくてええの？｣
｢大丈夫だよ｣
｢グラマーちゃうからな｣
｢それはもういい！｣
それじゃあね、おやすみ。って言おうとすると
遠くの方から人の走る音が聞こえた。
｢...人、だよね｣
｢あ、ああ...｣
その足音はこっちに段々と近付いてきているようで
思わず宮くんの顔を見てしまう。
｢な、なんや急にホラーな感じ出さんといて！｣
｢だって...｣
｢人やって！｣
｢ま、まさか痴漢...！？大変っ、宮くん危ないよ！｣
｢俺が襲われる前提かい｣
その足音はすぐ角まで来ていた。
2人でいつでも走ることのできる姿勢になり、
ゆっくり後ずさりすると、出てきたのは知っている人だった。
｢お母さん...！｣
｢はあ...はあ...A...はあ、げほっ｣
家を飛び出してしまった原因である、お母さんだった。
どうしよう、さっきまでの前向きな考えは
どこに行ってしまったの私。
こんな時、私はいつも怖気付いてしまう。
｢っ...！もう！こんなとこまで1人で来て！危ないでしょ！？｣
｢えっ｣
｢それによく見たら痴漢が出たってとこじゃないの！
襲われたらどうするの！？｣
お母さん、私はグラマーじゃないので大丈夫です。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
