19 苦手 ページ19
あれから1週間が経ち、テストまで残り1日。
先生に放課後は残らないように言われた私たちは
放課後はやらないことにした。
｢んー、この服ええと思う？｣
｢あ、それ美樹に似合いそう｣
｢買いやな｣
｢即決｣
ご飯も食べ終わって昼休み。
友人の美樹と服をサイトで一緒に見ていると、
机の中に入っている自身のスマホがブブッと
鳴いたことに気付いた。
あつむ行けるかー?
Aうん、先に行ってる
｢図書室行ってくるね｣
｢行ってらー｣
あれから、勉強をする拠点は図書室に。
昼休みになると、宮くんからお誘いのLINUが来て
都合が良ければ行く、という流れだ。
｢(まだ来てない)｣
図書室に着くなり宮くんを探すが、
まだ来ていないようだ。
適当に小説をとって、窓側の席に座った。
｢(...)｣
下を向いたら横の髪が落ちてきて
1度耳に掛けてみても、そのうち落ちてくる。
女の子は、その経験が多いのではないだろうか。
｢今日は何の本？｣
下を向いて本を読んでいると、
大きな影が覗き込んで来た。
｢夏目漱石｣
｢しっぶ｣
｢い、いいじゃない！｣
遅れてやってきた宮くんだった。
しかし、手には何も持っていない。
手ぶらだ。
すると、私の顔をみた宮くんは分かりきったように
｢昼休みやで？休まなアカンやろ｣
上手いこと丸め込まれてしまった私は、
どうしたらいいものか。
図書室で宮くんと一緒なんて、何をすべきなのか。
すると、宮くんは自然な態度で
私の隣の椅子を引いて座った。
｢月が綺麗ですね｣
｢まだ出てないよ｣
｢そやな、真っ昼間やし｣
一体どうしたのだろうか。
月が綺麗ですね？
.......あ。
｢夏目漱石のやつだ｣
｢有名やんな、俺でも知ってるわ｣
｢ふふ、宮くんが言うと変な感じ｣
｢なんで？｣
｢宮くんなら、ストレートに言いそうだもの｣
｢愛してますって？｣
｢そうそう｣
夏目漱石の遠回しな告白も素敵だと思うが、
宮くんはストレートに言った方が宮くんらしい。
なんていうか、その方がしっくりくる。
｢『愛してる』｣
頬杖をついて、柔らかい笑みを浮かべている宮くんは
私に向かってそう言ってきた。
｢っ！｣
｢どう？俺っぽい？｣
｢え、ああ！うん！｣
｢俺っぽいんかい｣
ちょっと、急に言われると心臓に悪い。
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黎子(プロフ) - ちごさんさん» コメントありがとうございます！ただのオリキャラで当て馬というだけで不憫すぎない？？？と勝手に思ってしまって良い奴にしちゃいました…身の回りにもいて欲しいもんですこんないい男…。更新頑張ります！長々とすみません！ (2022年8月2日 18時) (
レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちごさん - なんか、伊藤くんめっちゃ良い人(笑)おもしろいです。更新待ってます。 (2022年8月2日 18時) (レス) @page45 id: d565dd2c8b (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 月花さん» コメントありがとうございます！続き書きたいんですけどね…なかなかまとまらなくて…すみません！！！！！！！！ (2021年10月29日 12時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンするし、とってもおもしろいです！めっちゃいいとこ(？)で止まっちゃってるのですごく続きが気になります……！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2021年10月29日 5時) (レス) @page44 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
黎子(プロフ) - 羅門さん» コメントありがとうございます！わあああああ嬉しすぎますね…拙い文ですが楽しめたなら何よりです！頑張って更新しますので！頑張ります！！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1c7dde52b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黎子 | 作成日時：2018年9月30日 0時
