好き ページ26
side竜
せっかくこんなところまで来たんだからと
Aにも遊んだ思い出を作ってやろうと思って
何かないかと調べているとボートの乗れるところがあり、ここいいじゃんと連れてきた。
しかも昨日は光輝と二人で出かけてたみたいだしな
何となく先越されたような気分になり、悔しかった。
そんな中、Aの様子が変だなと思ったのはボートに乗ってから
何となく挙動が落ち着いていなくて、
でもまぁ面白いからいいかと見ていた。
ボートを漕いでだんだんと陸地が遠くなると
2人だけの世界に吸い込まれているような感覚に陥る。
いい雰囲気だな
なんて、そんなこと思っていたら
Aの口から発せられた言葉は俺の頭を強く殴った。
『好き』
好き...？
お前が俺を？
好き？
理解なんて追いつかなくて、頭の中が痺れたような感覚に襲われる。
「え...」
『ち、違う！家族として！家族としてだから...』
Aが涙目になりながら、真っ赤な顔をふるふると振っている。
「ほんとに？」
顔を隠そうとするAの手を掴む。
ボートの上で半ば覆い被さるようになる体勢に
胸がドキンと鳴るが、俺の頭は今Aの言葉でいっぱいいっぱいだった。
そんな顔で見つめられたら自惚れそうになる
お前も俺のこと好きなの？
俺と同じ意味で、同じ感情なの？
聞きたいことはたくさんあったが上手く言葉にならない。
「俺のこと好き？」
俺の言葉にAが大きく目を見開く。
そして困ったように眉根をよせ、上目がちに俺を見つめる。
可愛すぎ
もう無理
俺はAの頬に手を添え、唇をそっと寄せた。
「嫌なら拒んで」
やめてやる気はないけど
触れるか触れないか、絶妙な近さで互いの吐息が混ざり合う。
そしてゆっくりとAの唇に触れた。
柔らかく、ふにっと甘い感触に脳が痺れる。
Aはされるままにその甘い感触を受け入れていた。
「A...」
熱い視線が絡み合う。
『もう無理...！』
夢心地の中Aに体を押され、バランスを崩す。
咄嗟のことに踏ん張れず、気づいた時は俺は湖の中に落ちていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1078人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「川村壱馬」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美愛(プロフ) - tenkhさん» ありがとうございます、凄く嬉しいです！とても力になります(*^^*) (2020年1月28日 14時) (
レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
tenkh(プロフ) - 更新嬉しいです！この作品めちゃくちゃ好きです！ (2020年1月28日 13時) (レス) id: a668c29e36 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - みほさん» ありがとうございます。しばらく毎日更新していきたいと思いますのでぜひ楽しみにしていてください(*^^*) (2020年1月26日 22時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
みほ - 京極兄弟の妹の続き早く読みたいです！竜と妹のハッピーエンドも期待してます�� (2020年1月26日 21時) (携帯から) (レス) id: 478e83e2b7 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - SORA さん» わああ！！凄く嬉しいですヽ(*´∀｀)ノそう言って貰えると作者冥利につきます！これからも頑張って書かせて頂きますね！ (2020年1月26日 11時) (レス) id: 5468b9022d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美愛 | 作成日時：2020年1月10日 13時
