十輪(感想とか、コメントしていただけると嬉しいです ページ13
『うわぁ……悪趣味な家』
見渡す限り廃墟のように、蜘蛛の糸、蜘蛛の巣が張っている。
ハロウィンかよ!っと自分でツッコミを入れたが面白くないので却下。
然しまぁ広い広い。
目の前の部屋のドアノブを捻ってみたがあかなかったので歩いて散策をしている今この状況に、若干焦っている。
『このまま……帰って来たりしたら……』
そう思うと冷や汗が額に浮かび上がり、ますます焦りが募る。
取り敢えずの所、今のところ窓もなければあったとしても木の板で塞いであったり、立て付けが悪いのか、ガコガコ音がするだけで開かないものばかり……
扉はひとつの廊下の壁に2つと少なめの設置。
この内ひとつは、開いたが物置部屋のようなものだった。
角を曲がると下へ続く階段があり、これまた内心なんて幸運なんだ!!とガッツポーズをとる。
然し、
幸運と不運は紙一重。
『いっっ!?』
階段を降りる最中のことだ。何かが思い切り足の裏に刺さった感覚がした。
恐る恐る足をあげるとズリュっと嫌な音を立て、一気に生暖かなものが足の裏を伝っていく。
『いってぇんだよ!!もぉ!!!』
しゃがみ、傷口を押さえ何が刺さったのか確認する。
階段からでていたのは、鋭くとがった釘……だと思いたかった。
然し不運というのは唐突にやってくる。
『くっ…黒色の布……?』
顔が一瞬で青ざめた。
一瞬で察した。これは、あの時見た。彼の…
彼の【殺戮に用いる道具】なのだと。
『え……?』
冷や汗が頬を伝う。その黒刃は、私の血を滴らせ一瞬にして
消えた。
『っ!!!!』
私は走り出した。
後ろは確認しなかった。足の痛みなんて関係なかった。
後ろに、ものすごい殺気を感じたから。
物置部屋に隠れたら一瞬でバレてしまう。だから、階段の真横にある部屋に逃げ込んだ。
幸いにもそこだけ開いていたから。
口を手で抑え、呼吸を整える。
私は今、戸棚と戸棚の間に挟まれる形で座っている。目の前には沢山積み上がったダンボール。
音さえ立てなければ見つかりっこない。
じくじくと痛む足を見てふと悟った。
血の跡がここまで続いていることに。
283人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - 続き待ってます!! 面白かったです! (4月14日 23時) (レス) @page22 id: f2f05df21c (このIDを非表示/違反報告)
加奈 - 何故、芥川君がオラの名前知ってんだ? (2020年5月25日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
日名無 りん(プロフ) - 本当に芥川さんが格好良すぎて格好良すぎて無事昇天しました…!この様な神作品に邂逅する事の出来た私は幸せです!!!!!! (2020年2月23日 19時) (レス) id: 0a69449343 (このIDを非表示/違反報告)
林檎ばたけ(プロフ) - 納豆御飯さん» わわっ!嬉しいです……!!期待に応えられるよう頑張りますので!!泣 (2020年1月1日 20時) (レス) id: 29e406539b (このIDを非表示/違反報告)
納豆御飯(プロフ) - 貴女の書くヤンデレが大好きです! 更新、無理せず頑張ってください! 応援しています! (2019年12月28日 20時) (レス) id: d545145139 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:林檎ばたけ | 作成日時:2019年3月16日 15時