また明日。《8》

♯373 ページ23

朝、起きるなり陸くんがゴソゴソ動き出した


陸「俺マットレス動かすからシーツ引っ張れる？」


A「うん、出来るよ」


陸くんが動かして少し浮かした隙にシーツを引っ張った

ん？引っ張った拍子に何か小さい物が飛んだ

ピアス？陸くんのかな？
でも見た事ないし、どう見ても女性用だよね？

後ろはちゃんとキャッチが付いてて、着けてたのが何かの拍子に落ちたんじゃ無いと思う

誰かが意図的にマットレスの隙間に入れ込んだ？

それとも陸くんが偶然ここに落とした？

何れにせよ、これが陸くんのではないのは明らかだった

どうしよこれ……
気付かないフリしてどこか部屋の隅の方に置いとく？それとも、陸くんに渡す？
そんなの、怖すぎる……
でも、そうやって逃げてたらいつまでもずっと不安なままだし……


陸「A？どーした？」


背中を向けて固まってる私に声を掛けた


A「これ落ちてたよ〜(笑)ちゃんと片付けとかないと、無くしちゃうよ〜？(笑)」

衝動的に言ってしまった
陸くんがどんな顔をするのかちゃんと見ようと思って、真っ直ぐ目を見て陸くんの掌にピアスを乗せた


陸「え？…ホントだ無くなるね(笑)」


そう言ってポケットに入れた


……分かんない
陸くんの表情からは何も汲み取れない
普通にガムをポケットにポイって入れるような感じで、普段と何も変わらない様子だった

……お母さんのって事に…しよう

……お母さんって…寝室入るっけ？？

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