罪で結ぶ絆 2

夜の出来事 ki ページ36

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次の日の朝、怠い身体を引きづるように
して店を出た。

昨日とはうって変わって青空が眩しい。



アパートの階段を上りながら、足が上が
りにくいことに気づいた。

なんか疲れた……だりぃな……




酷い体調不良を感じたのは、その日の昼
過ぎになってからだった。

身体が熱っぽく怠い。右の脇腹の傷が赤
く腫れてきた。

元々季節の変わり目は、昔から体調を崩
しやすかった。最近無理をすることが多
くて、免疫力が低下していたのかもしれ
ない。


熱を計ると38℃近くある。傷が腫れて発
熱って……やばくね？

赤く腫れた腹の傷を触るとズキズキと痛
み、もしかしたら細菌感染したのかもし
れないと思った。

今日は日曜で病院もやってないし、どう
にかするしかないか。

とりあえず体調が悪すぎて、今夜は店に
出られそうにない。夕方になったら電話
しよう……

倒れ込むようにしてベッドに横になると
途端に睡魔に襲われた。









ピンポーン


なんだよ……


ピンポーン、ピンポーン


遠くで鳴っている音が、自分の部屋のイ
ンターフォンだと気づくのに数分かかっ
たかもしれない。


ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン


え……？うち……？





部屋は既に暗く、月明かりが射し込んで
いた。


「やっべ……今、何時だよっ」


枕元で点滅しているスマホを見れば、午
後八時を過ぎていた。廉からの着信と玉
からのLINEが入っている。


やらかしたわ……
きっと心配してるよな。


重い体をどうにか起こし、とりあえずさ
っきから鳴り続けているインターフォン
に出た。




「はい」

『ひろ……私。玲です……』




え……玲さん……？




「玲さん……どうしたの？」

『ルキアに行ったら、ひろが来ないって
裕太と廉くんが心配してて……だから心
配になっちゃって。ごめんなさい、お花
見の時、家を教えてもらったから勝手に
来ちゃった……』


そうだよな……無断欠勤じゃん俺。
一瞬頭が真っ白になった。



『あの……』

「え……？」

『……大丈夫？具合悪いんじゃない？』

「いや……」

『昨日、あんなことがあったから心配し
てたの……』


インターフォン越しに、玲さんの心配そ
うな声が聞こえてくる。



「店には電話するよ」

『ひろ』

「うん？」




『顔が見たいの』

「うん、今開けるよ」





身体が鉛のように重い。


壁を伝いながら、なんとか歩いてドアを
開けると、今にも泣きそうな顔の玲さん
が立っていた。








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