贖罪 ki ページ34
・
「若気の至りってやつかな」
玲さんは大きい眸を更に大きく見開いた。
「でも……それ、とても痛いんでしょ？」
「敢えてやってみたくなったんだよ、そ
ういう無茶なことをさ」
本当は、小さい頃に負った十字の傷跡。
かなり深い傷で、ケロイド状態になっ
ていたものに、後からスカリフィケーシ
ョンで装飾した。
ある理由から傷を残しておきたかったか
ら……
スカリフィケーションが、かなりの痛み
を伴うのは承知の上だった。いや、むし
ろ痛みを感じたかったのかもしれない。
十字架は一生背負っていくと決意した。
贖罪という意味を込めてね。
これは……
誰にも話したことがない俺の過去の罪だ。
「ひろは……私のことを何も訊いてこ
ないのね」
玲さんの手が伸びて来て、俺の頬に優し
く触れた。
「お客様のことを詮索しちゃいけない決
まりになってるから」
俺が言うと、玲さんは少しだけ笑った。
「ふふっ、裕太もそう言ってたよ」
「玉が？」
「そうよ」
「ふぅーん」
玉とも寝たのかもしれない。まあ、俺
がどうこう言える立場ではないしね。
なぜか、ほんの少しだけ胸がチリッと痛
んだ。
「少し眠くなってきたかも」
ゴシゴシと、手の甲で目を擦る姿はま
るで幼い子供のようで、思わず笑みが零
れた。
「なぁに？」
「いや、可愛いなぁって思って」
「もうっ、私の方が年上！」
「ふふ、くっついて寝ようか？」
彼女を抱き寄せ暫くすると、規則的な
寝息が聞こえてきた。
目の前の、ふっくらした唇を思うがまま
に貪りたい衝動に駆られ……
クソっ！
俺はぎゅっと目をつぶった。
＊
「ひろ、朝までつきあわせてごめんね」
そう言いながら、財布から出した万札
を、五枚俺に渡してくるからそんなに貰
えないと言った。
「いいの。私の気持ちだから……
だってチップの金額は、お客の気持ち
で決めるものでしょ？」
「……でも、いいんですか？」
俺の問いかけに、玲さんはただ微笑ん
だだけだった。
普通のОＬだって言ってたよな？もし
かしたら、どこかのお嬢様なのかもしん
ないね。金があり余っているとか？
ボーイズクラブの会員になるのだって、
数万なんていう金じゃなれない……。
「ひろ、また会ってくれる？」
「もちろん」
まぁ、いいか。
俺はあくまでも、玲さんに買われた男
娼に過ぎないんだから。
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siori(プロフ) - れいさん» れいさん、初めまして。フラグの部屋は、R18指定があるので設定が必要な為コミュに登録していないと見られないのです。サイトのルールなので申し訳ないのですが年齢が大丈夫であれば登録すれば読むことは出来ます……。 (2019年9月22日 21時) (
レス) id: 25b2988e99 (このIDを非表示/違反報告)
れい - ※の続きが読みたいです。もし宜しければ見方を教えていただきたいです (2019年9月22日 11時) (レス) id: 1d3b0a592d (このIDを非表示/違反報告)
永瀬なつ(プロフ) - ※の続きの見た方が知りたいです(´･ｪ･`) (2018年12月25日 22時) (レス) id: 579642299a (このIDを非表示/違反報告)
キラみつ(プロフ) - ※の続きの見方教えて頂きたいです！！ (2018年10月18日 19時) (レス) id: 4ba300fb0f (このIDを非表示/違反報告)
m228evanescent8(プロフ) - とても引き込まれる内容で楽しく読ませて頂いてます。※の続きの見方おしえてください！ (2018年10月18日 9時) (レス) id: 834a07e579 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2018年8月17日 12時
