ラグジュアリーなホルモン屋 ページ45
.
「じゃあ、酒が入る前に原稿のことを話
すから」
「うん」
「内容は良いと思う。正直面白かったよ
だけど相っ変わらず”てにをは”がなっ
てない」
「”てにをは”ですか……」
「そー」
太輔は赤でチェックされた原稿と、出
来上がってきたゲラを見せてくれた。
なんだか国語の先生に叱られている気
分になってくる。
「でも取材もきちんとしているし、何よ
り内容が凄く面白いよ。評判が良くて
続くようなら書籍化の方向に話を持っ
て行くこともできるから頑張れよ」
えーっ、書籍化！？
マジで〜！
「顔、ニヤケてるから。楽しい妄想してる
ところ悪いけど、評判が良くて続くよう
ならって話だからな」
一人ニヤケる私の夢に、即終止符が打た
れ急に現実に引き戻された。
「わかってるよぉ！」
「そういえば、近所のジュエルなホルモ
ン屋はよく行ってるの？」
「え？」
”ジュエルなホルモン屋”って……(笑)
太輔が言うと、勝手に脳内変換されて
”ラグジュアリーなホルモン屋”に聞こえ
てしまい、やけに高級でおしゃれな店が
頭に浮かぶ。
だけど”ホルモン北山”だよ。
店主は熱血赤Ｔ男の北山氏だよ。
「フフフ……」
私の思い出し笑いには既に動じなくな
っている太輔は話を続けた。
「その熱い店主さん、エッセイの良い助
っ人になってくれそうじゃん」
「……そうなんだけど」
今朝の北山さんの不機嫌な顔を思い出
し、一気に暗くなる私。ウザイ女だと思
われたに違いない。
「そうなんだけど？」
「怒らせちゃったんだよね……」
「何をやらかしたんだよ？」
私は、実は彼が隣人なこと、昨日女を
連れ込んでいたこと、彼のプライベート
に踏み込んでしまい余計なことを言った
経緯を話した。
「目の前でシャッターがガラガラって閉
まった音がしたよ」
「なるほどねぇ、だけどAが他人のプ
ライバシーに首を突っ込むなんて珍し
くないか？」
と、相変わらず鋭い太輔。
「そ、そう？」
「まぁ、いずれにしてもあんまり踏み込
むのは良くないからな」
「――反省してるよ」
「北山さんて隣人だったんだ」
「……え、うん、……そうなの」
私の歯切れの悪い返答に、どう思った
のか？太輔は日本酒を一気にあおった。
.
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siori(プロフ) - にかみつばさん» ニカちゃんを下品要因にしてごめんなさい(笑)ホルモンは私も詳しくないのですが、楽しんでもらえたらこれ程嬉しいことは無いです。にかみつばさんもこれを機に、ホルモンヌに！どうですか？なんて(笑) (2020年6月24日 7時) (
レス) id: b69aae1f51 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - こちらも読ませて頂きました。ホルモンに詳しくもなく興味もなかったので読むのを躊躇っていたのですが、読み始めると止まらない程面白かったです。下品な方でよかったには声をだして笑いました。続きが読めるのが楽しみです。 (2020年6月24日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
北山あかね(プロフ) - 凄く続きが気になります！実は密かにこのままみっくんと付き合って欲しいって思ってます笑続き楽しみにしてますね！ (2017年6月29日 23時) (レス) id: fdd9e4228f (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - あみさん» あみさん(*^^*)本当に鈍感なんですね、主ちゃん。あんなカッコいい頼りがいあるイケメンになびきそうになります、私なら！(;^ω^)エロ山くん、笑いました。 (2017年6月12日 20時) (レス) id: 34dcf9e021 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ぽっぽさん» ぽっぽさん(*'ω'*)あんなに冷たい態度とられたんですもんね、しかもアンタ呼ばわりされて〜ショック！どんな顔で会えばいいのか。オロオロ。おっしゃるように、お酒で憂さ晴らしするのは作者と似ているかもしれません(;^ω^)分かっていただけてうれしいです。 (2017年6月12日 20時) (レス) id: 34dcf9e021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2017年5月24日 18時
