り す か し ょ う じ ょ を あ い し て る 。【luz】

おれがまもる ページ12

ステージにいるときから見えてた。









ずっと気になってたAの左腕の…









まるで "何か" を隠すかのような……









「で、A。その傷はなに？」



『っ、』



「…見せて？」



『っ、やだ！！』



「っ…！」









予想外だった。今までこんなことなかった。









Aは俺に見せるのが嫌なんやろうけど









俺からすれば、隠し事をされとる気分。









俺が悲しい顔をしとるのに気付いたのか、Aも悲しそうな表情をする。









『あ、ごめんなさい…』









少し震える声で謝る彼女を宥めるように、優しい声で語りかける。









「お願い、見せて」



『…ダメ。汚いから……』









汚くてもいい。どんな君でも愛おしい。









「俺じゃ助けられん？俺はどんなAでも愛しとるのに？」









どんなAでも愛し抜くことを誓える。









だから、お願い…









『そうじゃないの』



「ええから、見せて」









有無を言わさないように手早くカットバンを剥がす。









その傷が現れた瞬間、俺はどうしようもなく "愛おしい" が溢れて









それと同時に "罪悪感" が生まれて









彼女の細い身体をキツくキツく抱き締めた。









『苦しい、るっくん、潰れちゃうよ』



「ごめんなあ。少なからず俺のせいでもあるやろ？ごめん」



『違うよるっくん。私が悪いの。私が
勝手に、るっくんに恋したから…』









"ごめんね" という言葉を口に出そうとしとるのがわかったから









その言葉を食べるかのように









少し乱暴に、強引に









そして愛おしさを込めた口付けをする。









「愛しとるで、愛しとる」



『私も…愛してます』









episode 4-4 _其ノ言葉ガ聴キタカッタ_

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