中原と太宰と時々私 アージン！【文豪ストレイドッグス】【学パロ】

腐男子と会話 ページ15

この階段を上がれば２年１組の教室前の廊下だ。昇降口から此処にかけてないということは、教室かこの階の廊下にあるはずだ。バッグからポケットにケータイをうつしたときに引っかかって落ちたのだろうか。これだからゲーセンの戦利品は壊れやすくて困る。もうちょっと強度をなんとかしてから商品化すべきだ。フィギュアだってそうだガコンと下に勢い良く落ちるんだからそれを計算して製造してだな…。


「あ、」


階段を上がって廊下を曲がったところ、すぐそこにうずくまる人影に思わず声がもれた。

あれ、この後姿、もしかして。



「中原、くん」


篠崎さんだ。


篠崎さんがいる。








篠崎さんだ！？！？！？！？！？





「あ、あぁ、その、」

うわなにどもってんの俺なんで突然心拍数上がってんのコミュ障出してんじゃねぇよしっかりしろ！！


「忘れ物？」
「忘れ物、じゃなくて、お、落し物をして…」


そういえば篠崎さんと喋ったの、初めてかもしれない。いつも遠目からﾊｧﾊｧしてただけだ。あ、しゃがみこんでるその角度から見上げられるのツラいですやめてください。

忘れ物じゃなくて落し物。そうは言ったが、"帽子猫を落としました☆"だなんて言えるわけが無い。言ったところで「なんでそんなもん探してんのｗｗｗｗｗ」とか言われるかもしれない。引かれるかもしれない。そうだろだって帽子好きって世間一般から見たらちょっとかわってるだろ。

それより篠崎さんはここでうずくまって何をしていたんだろう。立ち上がる篠崎さんの手元にふと視線を落とすと

「あ！そ、それ」
「へ？」

鶴谷さんの手の中に、俺の探していた"帽子猫"。うわ最悪だ。彼女に拾われてたなんて。引かれる。絶対引かれる。


「…これ、中原くんの？」
「……そう…」

やばい、その感情で出来た言葉のタメ。変な空気になってしまった。

「中原くん帽子好きだもんね」

え、なんで知ってんだ。
なんで俺の帽子好き知ってるンだ。
話したこと、ないよな。

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