目覚メ ページ31
はっと目をさまし、すぐに状況を確認する。
炭治郎は…もういない。伊之助もいない。二人とも目を覚ますのはやいな…とりあえず今魘夢と遭遇してるくらいだろうし…後方車両に移動しておこう。
ぐっすり眠っている乗客の様子を見ながら後方車両へと移動する。多分、そろそろ肉の塊が乗客を襲い始める。杏寿郎さんももうすぐ目を覚ましてここに来るだろう。それまで待機…とか考えていると、
「…!」
すぐ隣にいた乗客に絡みつく肉の姿。私は刀を抜き、即座に散らした。始まった、あとは炭治郎が魘夢の頸を斬るまで持ちこたえるだけ。
乗客に肉が絡みつくたびに刀を振るう。これなら何時間でも持ちこたえられるぞ…と笑みを浮かべると、いきなり大量の肉塊が私を含め乗客に襲いかかった。驚き少し動きが固まったが、すぐ型の構えをする。
炎の呼吸、伍ノ型 炎虎
自分に襲いかかってくる肉塊は後回しに、乗客に襲いかかろうとしていた肉塊を焼き消した。直後、刀を持っている腕に肉が絡みつく。動かそうとするが、力的に無理らしい。びくともしない。そこから、締め付けるでもなく首を絞めるでもなくただ動きを封じるように両足に絡み始める肉塊に目的を理解した。
「久しぶり過ぎて忘れてたけど私鬼舞辻に狙われてるんだった」
まったく動けなくなってしまい少し焦る。何とか動かそうと身動ぎしていると、急に肉塊が動き出した。私の体が浮きそのまま外に連れ出そうとしてくる。これは、さすがにちょっと面倒くさい。小さく舌打ちをして打開策を考えようとすると、急に手足が自由になった。
周りに散る肉塊、重力に従って落ちる私の身体。受け身をとろうと構えると、その直前誰かに受け止められた。
「大丈夫か?A」
「…杏寿郎、さん」
片手で私を抱えている杏寿郎さん。なるほど、目を覚ましてここに来たのか。とても助かった。
杏寿郎さんにお礼を言って降ろしてもらい、再び刀を構える。
「むぅ!最近減ったと思っていたが、またAを狙い始めたか!…諦めの悪い鬼だ」
「私も忘れて油断してました…柱として不甲斐ないです」
「うむ!錆兎にも忠告されているだろう!油断は禁物だぞ、A!!」
「うぐぅ…はい」
杏寿郎さんにも注意されてしまった…私昔から油断し過ぎ…。
取り敢えず肉塊を散らし続けよう。私は再び視界の隅に写った肉塊を散らした。
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なぎ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます…‼ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: c7ded9271f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新待ってます…応援しています!頑張ってください!! (2022年5月25日 23時) (レス) @page42 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
しらこのり - 更新ずっと待ってます 再開して欲しい… (2022年1月15日 11時) (レス) id: 573692b408 (このIDを非表示/違反報告)
人類のようなナニカ - コメント失礼します。この作品本当に大好きで、読み進めるのが楽しくて楽しくて仕方がないです!応援しています!!!!更新頑張って下さい! (2022年1月7日 19時) (レス) @page42 id: 60efa73c00 (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 投稿楽しみにしてます! (2021年12月31日 18時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2019年8月20日 14時