夜を愛す少女【鬼滅の刃】

人ニヨル ページ4

「もし、その大事な人と一緒に仕事に行ったときに上弦の鬼に出くわしたら。私は大事な人を守るために命を投げ出すと思う」


それが正しいとは言わない。むしろ、生き残るためには逃げるのが一番正しい。でもさ、


「大事な人を守りたい。大事な人を悲しませたくない。その気持ちだけで、いつも以上に力が出るんだよ」

「…分からねぇな」

「だから、大事な人ができればわかるんだよ！獪岳にもいつかできるといいな」


私には、たくさん出来過ぎた。柱の皆、水の呼吸一門、かまぼこ隊。蝶屋敷の皆も、みんなみんな大事だ。失いたくない、悲しませたくない。あぁ、絶対に死ねないなぁ…

でも、この重みが心地いい。幸せな証だ。


「もちろん、獪岳も大事な人の一人だよ」

「…Aだけだな」

「…ん？」

「失いたくない奴。これが大事って事か」

「…っ！？」


ぶわっと顔が熱くなる。ほんっとさ！？獪岳はさ！？そう言うところあるよね！？多分、獪岳なりに考えて考えて、その結果浮かんできた人が私だったってことだよね…？

いやあぁぁ無自覚に誑し込んでくるぅ…！！


「そ、うなんじゃない…かな…」

「…何赤くなってんだよ」

「お前のせいだよぉ…」

「はぁ？」


ほんっとこの無自覚人誑しめ…！！ビックリだよ！本当にビックリだよ！！？お前そんな属性持ってるとか知らなかったよ…！！

そんなところも大好きです！！赤くなった顔を両手で抑えながら話を続けた。


「まぁ、うん。そう言うことだから…私の話したかったことは以上です…」

「…そうか」

「うん」


あ〜顔があっついんじゃ〜。ぱたぱたと手で仰ぎ顔に風を送る。獪岳と会話するときは不意打ちに注意しないと心臓が死んじゃう…

獪岳が帰る準備を始める。熱の引いた顔を獪岳に向け口を開いた。


「また合同任務があるといいね。獪岳との合同任務好きだよ私」

「…可能性は低いだろ。どんだけ隊員がいると思ってんだ」

「そーなんだけどー！！」


獪岳はそれだけ言って去って行ってしまった。なんだよ〜ノリ悪いな〜…いや、むしろノリノリの獪岳とか怖いな？あれが正しい獪岳の反応か。


一人納得しているAは気付かなかった。

獪岳が、Aの言葉に密かに喜び顔を赤く染めていたことに…

カナヲチャントカナエサン→←裏柱様ノ話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す