金が無くなった。【ブルーロック】

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まず手始めにシンデレラをらるらしい。15枚程度で作られた小冊子を渡されたが、こんなにペラっペラな台本を見るのは初めてだ。

表紙にはピンク色の水性のマーカーペンで書かれたハートマークが4つ、雑に書かれている。表紙のつもりかよ、と思いながらも、ペラペラと台本を捲れば、割と内容はシンプルであった。

Aはシンデレラになりきる為に、軽く化粧をし、髪の毛も高いポニーテールに少しカールがかった巻き髪になっていた。

ホログラムシステムを作動し、Aを見ればシンデレラの装いをしたAがそこに居た。




「化粧も自分でやったのか？似合ってるぞ」


「凄いA綺麗だよ」


「⋯⋯馬子にも衣装って奴だな」


『おい馬狼それ褒めてねぇだろ。千切と凪は愛してる』




元チームホワイト3人組の千切、凪、馬狼がAに話しかけ、馬狼は褒めてるのかよく分からない様子を見せてきたが、Aは千切と凪にはちゃんと褒められることに恥ずかしさが勝ってしまう。

恥ずかしそうに赤面しているAを見ている選手達は、褒める者か、ブスと照れ隠しで罵る者か、逆に恥ずかしくなって赤面する者の3択だった。




「はいはーい、ホログラム凄いだろ。じゃあ、才能の原石共よ、役者決めして行くよ」




配役はシンデレラの姉(1)役、姉(2)役、シンデレラの母役、王子役、ねずみ(1)役、ねずみ(2)役、魔法使い役だ。

そして、ランダムで配役が決まっていく。


姉(1)役⋯⋯潔 世一
姉(2)役⋯⋯七星 虹郎
母役⋯⋯氷織 羊
王子役⋯⋯雪宮 剣優
ねずみ(1)⋯⋯蜂楽 廻
ねずみ(2)⋯⋯乙夜 影汰
魔法使い役⋯⋯烏 旅人




「キャラ濃〜。私これについていける自信ないですって。早くアンリちゃん連れてきてよ、じんぱっちゃん」

「シャラップ、A」




シンデレラのことを虐める役にマイナスイオン組入れちゃだめでしょ⋯⋯。ネズミと魔法使いチャラくない？言いたい文句は止まらないが、そろそろ本気で絵心に怒られる気がしてならなかったので、心の中で留めておいた。




「じゃあ、シンデレラを始めるよ。なお、内容を全て覚えるのは時間の無駄だ。一連の流れは知ってるだろう、アドリブ等は大歓迎だ」

「では、役者の皆さん。準備をしてください」




絵心とアンリの声掛けで、今、青い監獄(ブルーロック)劇場、第１作品目「シンデレラ」が披露されようとしていた。よーい、アクション！の掛け声と、カチンコのカチンッ、という鋭い音と同時に、劇が始まった。

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