銃口が捕える重い前髪かき分けて【伊i沢i拓i司】

十七発目 ページ20

Aside

長い滞在期間を経て、やっと日本に帰ってきた、何度乗っても飛行機はなれないものでまだ足に浮遊感が残っている。

｢おかえり｣

ゲートをぬけた先にいたのは、意外にも福良さんだった。

｢あれ、伊沢さんは？｣
｢まぁまぁ、ちょっとやることあってさ｣

福良さんはいつもと変わらず柔らかい笑顔をうかべる。
帰ってきた途端抱きしめられるのかなと少し期待していたが、福良さんがいつもと変わらず出迎えてくれたのも、それはそれでよかった。

ゲームのバグも予想しているよりは少なく、デバック作業もそんなに要らなかったらしい。それでもいない期間私の代わりにゲームの責任者を頼み受けてくれたのは本当に助かった。

｢ありがとうございます｣
｢いやいやー、俺に出来るのってこれくらいかなって｣

福良さんも動画の編集とか、企画とか大変なのに、本当にありがたい。

｢さ、伊沢も待ってるから急ごっか｣
｢そうですね｣

少し傾いた太陽の光を浴びながら、自分の居るべき場所のオフィスへと向かう。
久々なのもあっていつも以上に楽しみだ。

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