モテ女子。【あんスタ】

3 ページ4

「転校生は名前なんて言うの？」



2人で職員室まで歩いていたら彼が聞いてきた






名乗ってないのも、勿論わざと




自ら名乗るより

相手から聞いてもらった方が覚えてもらえる






「AAです！ごめんなさい。言ってませんでしたか？」




へへっと困ったように微笑んでみる





「あなたはなんて言う名前なんですか？」


なんですか？の所でほんのちょっと首を傾ける






「……あ、俺は衣更真緒だ。……」




ほんのり頬を赤らめて

目線をそらす衣更くん




「衣更君ですね！親切にありがとうございます！」






今度は元気よく、知り合えたことを喜ぶように





「衣更くんはとても優しいですね。この学校は衣更くんみたいに優しい人がいっぱい居るんですかね？とても楽しみです！」






敬語が目立つように話してみる



そして衣更くんのことだけではなくこの学校の話をしてみた






するとずっと黙っていた衣更くんが口を開いた





「……敬語じゃなくていいし……下の名前で呼んで欲しい……」






どんどん声が小さくなっていく









その言葉、待ってました







「ほんとに、ありがとう！！私のこともAって、呼んでね！真緒くん」




さっきまで大人しそうな女の子が


とびきりの笑顔で嬉しそうに歯を見せて笑ってる

5→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す