私の価値は10億らしい (ページ3)

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▽ ページ3

「1100万」

「1500万」

「2700万」

「5000万」

すげー値段つり上がってて草。

え、そんなに私が欲しいの？マジで？笑えるわ。

桜峰Aはオークションにかけられていた。

おかしいな。つい3日前まで普通に大学通ってたんだけどな。

3日前、急に一人暮らしのアパートに強面の男たちが乗り込んできて「お前両親に売られたから」と抵抗する私を押さえつけて攫った。

揉み合った際に変な薬をかがされて眠らされたこと以外は別に何もされていないが、少なくとも状況説明ぐらいして欲しかったな。いくら私が美少女だからって理解力には限りがあるんだから。

まあ、男たちの「両親に売られた」という言葉から推測するに、私は両親に売られたのだろう。いや、推測もクソもないわ。

私の両親はクズである。お金のことしか考えていないような奴らだ。私の大学費とかどっから来てんのかなとか思ってたけど、もしかしたら黒いお金だったのかもしれない。何かしら都合が悪くなって、ウルトラスーパー美少女である私を売り払ったのか。

だからってオークションにかけられるとは何事？？？

「1億」

私を見るやつらの目がキモすぎて萎え萎えの萎えなんだけど。え、売られた先で私どうなんの？

この3日間で私の世話をしていた強面の男達(彼らはわりと良い人だった。めっちゃ優しく扱ってくれた)の言葉を思い出す。

『君が売られた先の方が本当の地獄だろう。幸運を祈る、としか言えなくてごめんね』

ちな、3日間は軟禁生活だったけど風呂にも入れたし、食事もちゃんとくれたし、ある程度の娯楽も用意されてた。リーダーっぽい男の人は「傷物にしたら殺す」と、めっちゃ丁重に扱ってくれた。

(くっ……グットルッキングレディなばかりに…とりあえず両親はダンプカーにはねられて全治3ヶ月ぐらいの怪我を負え！！)

「1億が最大でしょうか？このまま落札に──」

え、ちょやめてくださいよ。無理無理。なんかアイツキモいし。そもそもこんなのに1億の大金払うやつなんてロクな奴しかいな──

「10億。その子は僕が買う」

もっとヤバいのいたわ。