病みすぎ警報

30＋６まふまふ ページ37

最近Aがエクステを付けた。



僕みたいに部分的にじゃなくて長くするやつ。



でも、それを見るとどうも高校の頃を思い出しちゃって少し辛い。



毎日のように泣いてたA。



その頃、モテモテのAは同じくモテモテのイケメン彼氏と付き合ってた。



学校では我が校の顔と言われるほど2人は有名で煌びやかな存在だった。



けど実際はイケメン彼氏は浮気を繰り返してて、その浮気相手はAのことをいじめてた。



『まふくん、辛い』



ま『うん』



わかる、辛そうな顔してるから。



毎日話聞いてるから。



でも、頑張ってなんて言えない。



ごめんね、けど、



もうこれ以上我慢して欲しくないんだ。



『私、どうしたらいいかなぁ』



ま『………Aちゃん……』



『困らせちゃったね』



ま『ううん、全然平気』



『そっか、じゃあ私お昼食べてないから行くね』



ま『待って！！』



言葉では伝えられなくて



それでもこれ以上傷つけたくなくて……



思わず抱きしめた。



『どうしたの？』



ま『もう少し、吐き出してみてもいいんじゃないかな………』



『そうだね〜、でもね、大丈夫。こんだけ思ってくれる親友がいたら頑張れる気がするっていうか』



『じゃあね』と言って立ち去って行く後ろ姿を見ながらポツリと呟く。



ま『親友か………』



友達にも恋人にもなれないある意味残酷な立ち位置。



このポジションを守るか、全てを失う覚悟で階段を１つ登ってみるか。



僕には前に進むことが出来なかった。



プルルルルル



着信音で意識がはっきりとする。



ま「A………」



「あ、もしもし？あのさぁ、エクステとっちゃった。でも、髪色はグレーだから黒っぽいまんまなの！」


ま「ふふっ」


「え、なにそのあっ貴方今頃似合ってないのに気づいたのねみたいな笑い」



ま「え！ねぇ、違うから！違うの！本当に違う！」


「え〜、どうだか」


ま「むぅ、もういいし。信じてくれないAは嫌い」



「え、ご、ごめん。ごめんね？」



ま「ダメ、今日僕の家泊まるまで許さない」



「はぁ！？なにそれ…とかいうとでも思ったか！はっはっはー！もう私は君のマンションの目の前だ！さらに、気の利く私はビールとつまみを買って来たぞい！」



ま「でかした！」



昔の、メランコリックなAも好きだけど



今のAの方が好きだな。

なんて、言える日がいつか僕にも来るのかな。

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