19、質問 ページ21
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「本当に大丈夫？どこか怪我はない？」
「ありがと、大丈夫だよ。
…その、本当に大丈夫だから、降ろしてってば」
彼女は照れながらそう言った。
本当に外傷はなさそうだった。顔色もいいし、彼女の態度から察するに健康状態に異常はないだろう。
しかしどうにも、先程の事切れたように倒れた彼女のことが心配だった。
「もうっ、いい加減降ろしてよ！恥ずかしいじゃない！」
「……。」
「な、何。そんな見つめないでよ…。どうしちゃったの…？」
「…君に幾つか質問したい」
「質問？」
彼女の状態を横抱きにしたまま凝視していると、彼女は威勢を無くして弱ってしまった。
私の顔がそんなに怖かったのだろうか。でも、そうなるのも仕方がない。
「君がさっき呼び出していた“あれ”はなんだい？」
「“あれ”？_____…っ！！
真逆、私のお祈り見てたわけ？！」
彼女は目を丸くして驚いた。
私はそうだよ、と頷く。彼女は開いた口が塞がらないという様子だった。
ただ驚いたまま何の言葉も発さない彼女に、もう一度問いかける。
「“あれ”は何？君が呼んだの？」
「…降ろしたら教えてあげる」
彼女を心配する反面、まだこの温かさと重みを感じていたいと思う中、不貞腐れたような彼女に一抹の寂しさを覚えた。
△▼△
「2年くらい前…だっけ。
私がもうすぐ18歳になる時だったんだけど」
私達は場所を移動して小さな公園の長椅子に座った。
夕陽が落ちて茜色が空を染め、散乱した薄い雲がいくつもの光を反射してまだらな橙色の模様を作る。
そんな景色をぼんやりと眺めながら、彼女は懐かしそうに語った。
「妹の一人がね、病気になってたことがあったんだ。
いつも呼吸が悪くて死んでしまうんじゃないかって不安だった。けれどその頃うちには薬を買うお金がなくて、治そうにも治せなかった。
だから必死に神様に祈ったの。
______代わりに私が病気になってもいいから、妹の病気が治してください、って。
そう言ったら、気づいたら眠っちゃってたらしくてさ。
目が覚めたら妹の病気が治ってて、次は私が体調を崩していたの。可笑しいよね」
ロザリオを手に取った彼女は、愛おしいものを見るように微笑む。
その姿を見ると、不意に不安になった。
「…それで、君は大丈夫だったの？」
「うん、今だってこうして元気にしているでしょう？
これだって神様のおかげなのよ。ママが神様にお願いして、私の病気を治してくれたのだから」
続く (更新停止中)
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ラザニア太郎(プロフ) - もちうさぎさん» もちうさぎさん、はじめまして。コメントありがとうございます^ ^可愛いと言っていただけて何よりです！そうですね…！修道服、もといシスターの着ている服を参考にデザインしました。ここで画質が悪いのが残念ですが、Twitterにも掲載しますので宜しければご覧ください (2022年11月11日 17時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
もちうさぎ(プロフ) - 服が可愛いしシスターって奴だよね！ (2022年11月11日 16時) (レス) @page4 id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2022年11月9日 16時
