彼女の仕返しは⓸ ページ47
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「…条野さん」
「何ですか、はやく退い___ンｯ…！」
自分のものではないと思うくらい、変な声が出てしまった。
突如真剣そうな雰囲気で名前を呼ばれたと思えば、耳元に顔を近づけられゆっくりと長く息を吹きかけられたのだ。
耳は私にとって最重要器官だ。誰よりも優れ、誰よりも敏感なところである。
そのようなところを刺激されてしまっては__________。
「えへへ、条野さん変なの。耳まで真っ赤。ふふっ」
彼女の能天気そうで、さもありながら些か甘すぎるような囁きが脳髄まで響いて何度も反芻される。
彼女の心臓の鼓動よりも、身体の全身まで響き渡るような自分の心臓が五月蝿い。
これでは、何もわからない。ただわかるのは彼女の声と熱だけだ。
焦りなのか、呼吸が荒くなってくる。
「…わたし、ずっと、ずぅっと悔しかったんですよ。
いつも弱みを握られて、条野さんの好きなようにされるのがずっと悔しかった…。やり返そうと思っても条野さん強いから、いつも、いつも諦めて…」
「…はっ、だから、何だと言うんです」
呼吸が乱れつつも牽制するように鋭い言葉を言い放った。
格好つかないと思うが、こうすることしかできない。
結局私は今、彼女の視線の先が私だけと言うことに幸せを感じている。
だからこそ彼女を無理矢理にでも引き剥がそうとはできないのだ。
けれども、こんなの_____________。
「くっ…？！」
彼女の華奢で少し冷たい指先が、捲れた服の裾から忍び込んで腹部を優しくなぞる。
思わず背筋に電流が走った。
「ぜんぶ、全部やり返しますから…ね？」
「なっ、何を言ってるんです。貴女が私に敵うとでも思って…。…ッ！」
また、ふぅっと耳元に息を吹きかけられる。
またあの変な声が出ないように必死に耐えた。本当に、これでは格好つかない。
そんな姿を見た彼女は、楽しそうにくつくつと笑う。
こんなの_______、私の男としての矜持というものが保たれない。
しかし、今彼女は私だけを見ている。この葛藤ばかりが脳を蝕む。
それでもやはり、最終的に主導権を握るのは。
彼女を翻弄するのは私だけでありたい。
「そろそろ、もういい加減に…ッ？！」
身体がずしりと重くなった。否、のしかかってきたのだ。
「……はぁ」
私の上で全身を預けて規則正しい寝息をたてている彼女は、どのくらい満足したのだろう。
自身の感じてしまった時の声を思い出すと腹が立ってくる。
それを癒してくれるのは今回の犯人だけなのだ。
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
