英雄悲話⓷ ページ34
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「…？」
扉が開かない。鍵が掛かっているようだった。
そして彼女の怒りは、勿論のこと増している。
「ちょっ、なんで来ようとするの？！来ないでって言ってんじゃんもう！！」
入らないで、という割に鍵をしっかり掛けているAの用意周到性には少し驚いた。
しかし、鍵程度で行く道を諦める俺ではない。
腰に携えた剣を構える。
彼女の身に対して細心の注意を一番に、出来るだけ剣先を扉の先に出さないように抜刀することをイメージする。
その時間は一秒にも満たない。
「えっ？！ちょ、えっ…？！」
扉が一瞬にして切り崩されると、部屋の隅で蹲る彼女が目を見開いて此方を見ていた。
その目は真っ赤に腫れていて、少々痛々しくも見えた。
…やはり、酷く泣いていたらしい。
「来ないでって言ったのに…！」
「…すまない。お前を放っておけなかった」
彼女の前へ目線を合わせるようにしゃがむと、更に彼女の泣き腫らしていた表情がありありと見えた。
そしてまた涙で頰が濡れ、俺と顔を合わせないように顔を埋めた。
「お前は多くの人を救った。胸を張っていい」
「でも私、人を殺したんですよ…」
「違う、彼奴は…」
「何も違ってない！！」
Aの怒号に俺は肩を震わせた。
それはあまりにも悲痛で、けれど悪く言えば子どもの我儘のようにも聞こえた。
だからこそ彼女を諭すように、聞いて欲しい。と一言掛ける。
「Aが居たから今を平穏に生きている人がいるんだ。
けれど、お前が居なかったら彼等に明日はなかったかもしれない」
「でも…！」
「でも、悪者であろうとも人を殺めた。
お前がその事を重く受け止め、一人の命を尊重できる人間であるのなら、その優しさがより多くの人を救う事になる」
Aは俺の言葉に耳を傾けるように、顔を上げて俺と目を合わせる。
そして彼女は少し落ち着いた様子で、上ずった声でなんとか言葉を紡ぎ出す。
「…私、軍人として働く事はきっとこういう事になるかもしれないって、理解していた筈なんです。
だからといって人を殺すなんてことしたくなかった…。それに悪い人にだって事情があるかもしれないって…。でも、身体が勝手に動いて、気づいたら私…」
話すにつれて、また泣き出しそうになるAの肩を優しく引き寄せ、身体に収めた。
下心ではない。もう彼女の涙を見たくなかったからだ。
「ゆっくりでいい。事を受け止めたら、お前は優しい英雄になれる」
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ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 文スト4期おめでとうございます〜！声優さんも楽しみですし、猟犬以外にもあのキャラこのキャラのあんなシーンが見られるとずっとドキドキします…^ ^ 鐡腸さんも条野さんも��子さんも隊長も全部全部楽しみです！ほんとに待ち遠しい…^ ^ (2022年5月20日 16時) (
レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わかってくれますか笑！あと文スト4期おめでとう！ついに鐵腸さんが猟犬が来るねー笑 (2022年5月20日 1時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ましろさん» 初めまして、コメントありがとうございます！確かにそうかもしれません笑 私としても天然なイメージが強いですね…^ ^でも正義という言葉に忠実であり、芯があって強いところが本当に魅力的だと思います！！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - なんか鐵腸さんって冨岡さんに似てる笑 天然なとことかめっちゃ強い所とか！ (2022年5月20日 0時) (レス) id: c2ca67a91e (このIDを非表示/違反報告)
ラザニア太郎(プロフ) - ニゲラの蕾 兼 新芽さん» お久しぶりです^ ^喜んでいただけたようで何よりです！新しい大学生活で死ぬほど忙しくてネタすら思い浮かばず、そもそも小説のこともド忘れしていました…汗ですがGW中に少し暇ができたので書いてみました！相変わらず亀更新ですがご愛読していただければ幸いです^ ^ (2022年5月5日 17時) (レス) id: 24908c6af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラザニア太郎 | 作成日時：2021年11月14日 18時
