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14話 ページ16

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「鐵腸さん。私、剣の扱い方習ってないですよね…?」

「……。」


ぎぎぎ、と音が出そうなぎこちないそぶりで首を横に回し、鐵腸さんの方を見た。
そして私の言葉に反応して鐵腸さんも此方を向き、互いの目と目が合う。

青褪める私と普段と変わらない表情の鐵腸さん。
私たちの間には、微妙に気まずい空気が生まれた。


「…戦いは剣だけではない。お前には立派な拳がある」

「そんなぁ〜…!」


数秒の沈黙の後、鐵腸さんは無愛想に口を開いた。その無責任な言葉に涙が出そうになる。

確かにこの手だけで不良をなぶっては倒して来たが、相手はおそらく大の大人。しかも集団の可能性だってある。
危ない武器だってたくさん持ってるかもしれない。そんな怖い人たちを相手に、私ができることなんて…。


「…っ!」


不安で押しつぶされそうになっている最中、ふと右手に温かい感触が伝わった。
そのまま手が優しく包まれる。温かい感触の正体は、鐵腸さんの手だった。


「その手で多くの人を護りたいと言っていたな。ならばこの局面、幾度も切り抜けねばならぬ。
心配するな、お前の背には俺がいる。今日は前だけ見て動け」

「…はい!」


無骨で大きな手の温もりが手袋越しに伝わってくる。
気恥ずかしい気持ちもありながら、その熱意と鋭く真っ直ぐな瞳に何処か勇気付けられた。


「奴らの拠点はこの先にある木小屋だ。心して行くぞ」


△▼△


_________バタン!


「うおっ?!誰だ?!」

「軍警だ。令状に従い、お前達を逮捕しに来た」


鐵腸さんは真正面から威勢良く扉を開けた。

奇襲とかではなく、それはもう堂々と。
おかげで小屋の中にいる組織の男性数人等は、大層驚いた様子で目を丸くしている。

私も真逆こんな突入方法だとは思っていなかった。おかげで犯罪者たちと同じ反応をしてしまった。


「クソッ…!簡単に捕まってたまるかよ!」

「うわぁっ?!鐵腸さん、こっ、こここ、この人たち銃出してきましたけど?!」

「交戦だ。構えろ」

「かっ、構える?!」


私の動揺を無視したかと思えば、鐵腸さんは鞘に手を掛けている。
その姿は残像だったのか。次に鐵腸さんを目にした時は、既に一人戦闘不能にさせていた。

恐ろしい程の速さで、此方まで身震いしてしまう。
それは相手も同じだった。


「此奴…!」

「降参せよ。抵抗すれば、身の安全は保証できぬ」

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とっふ - わぁ……夢主ちゃん可愛い…最高ですね! (1月3日 17時) (レス) @page2 id: 521a35a539 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ - 最高です!続き楽しみにしてます!! (9月21日 20時) (レス) id: 2822ecfe2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラザニア太郎 | 作成日時:2023年3月27日 22時

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