ご、 ページ7
___彼女が啼いている。私の下で、私の所為に依って。
其の事実が私を打ち震わせた。嗚呼
勿論、私自身知っていて疑問提起している訳なのだ卦度、其処はあんまり気にしないで呉れ給えよ。
思い返しているだけだ、あの日抱いた不確かな感情を。愛情を。恋情を。焦燥を。君との安寧を望む本心を。
唇を離し、滑り込ませた指で太腿をなぞる。優しく撫でて遣ると、彼女は素直に甘い声を上げた。
『ひ、んッ…』
「ふふ、かァわいい声。未だ此れからだって云うのに、そんなに力が抜けては耐えられないよ?」
『そ、んなぁ…ッ、太宰さ…』
彼女を閉じ込めた理由は只一つ。
怖かったからだ。何が、と特定は出来ない。
もし私の心が此れ以上乱れて仕舞ったら、
もし他の男に絆され連れられて仕舞ったら、
もしまた「あの時」みたいに成って仕舞ったら。
私は、私じゃなくなって仕舞うだろう。
本当は此のどす黒い欲を無理矢理腹の中に押し込んで、細い首を締め上げて、何なら腕も足も切り落として、
痛みと涙と血でぐちゃぐちゃにしたい。
でも、其れじゃあ駄目だ。先ずは警戒と恐怖を解く処から始めなければ。まァ、だからと云って優しく優しく接して遣る心算は更々無い。
未成熟な君に私なりの愛を説こう。君は、己が誰のモノなのかを学ぶだけで善いさ。
彼女の唇を再度啄むと、今度は薄く開いた唇の隙間から舌を捩じ込んだ。
『ん、!?…ッん、ぅあ……っ、はぁ、んッ……』
内側からゆっくりと侵していき、悦楽で何も考えられなくなった其の時に、愛を注ぎ込んで上げよう。
嬌声を上げるAの姿は、情欲を掻き立てる。嗚呼君は矢張り、私だけのモノだ。
唇を離して遣ると、荒い息遣いで此方を見るAに、またぞくりと背筋が震えた。
邪魔な衣服を剥ぎ、触れるか触れないかの際どい処を刺激する。徐々に蕩けていく瞳は、本当に愛らしかった。
彼女は呂律が回らぬ中でも、私の名前を呼ぶ。
『ッぅ、あ…やだ、やです、らざいさ、んッ…はぁ、』
「大丈夫だよ。私だけを見て、私だけを感じていて」
上手に出来たら、甘い御褒美を上げよう。下手に反抗したら__判ってるよね?
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伊波トウナ(プロフ) - えっおわりです…?! (2023年2月16日 11時) (レス) @page17 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
湯川 - 終わっちゃったよ…あと26回くらい見れる笑 (2021年11月27日 7時) (レス) @page17 id: b53f4168a8 (このIDを非表示/違反報告)
天ぷら - 終わりなんですかぁぁぁぁぁぁあ (2021年9月12日 10時) (レス) id: b7f3dee41e (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 素晴らしいです。更新待ってます。 (2018年11月25日 1時) (レス) id: a0d4f48c92 (このIDを非表示/違反報告)
あさぎ(プロフ) - 太宰さんの一方的で押し付けるような愛の形が好きすぎて…!支配的な愛情表現がたまりません!応援してます! (2018年8月27日 23時) (レス) id: 59706cc241 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千紘 | 作成日時:2018年8月9日 16時